“カワイイ”アート展 金澤さん(荏田町)がグランプリ ヨーロッパでの個展開催へ
「Kawaii(カワイイ)」という日本独自の文化と、その先にあるエネルギーをアートで表現する『第1回Kawaii(カワイイ)+(プラス)大賞展』。横浜美術大で助手を務める金澤麻由子さん(荏田町在住)の作品『巣―ネスト―』がグランプリを受賞し、ヨーロッパでの個展開催を決めた。
同展は、東日本大震災後、暗くなりがちな雰囲気を払拭し、日本独自の文化「カワイイ」を通じて、世界へ幸せを発信しようと企画されたもの。主催はKawaii+(プラス)大賞展実行委員会。約360点のアートやデザイン作品が公募で集まり、23組が入選。今月20日の公開審査会で、金澤さんがグランプリと「ニュートロン賞」に選出されたほか、区内からは同美術大助手の佐藤岐夜美(きよみ)さんが審査員賞「広本伸幸賞」を受賞している。
五感に訴えかける作品
木のチップを使い、鳥の巣をイメージした金澤さんの作品。映像アニメーションと音、香りのコンテンツを仕込んだ体感型の「インスタレーション」という手法が用いられている。技術は以前から交流のある井村誠孝さん(大阪大学大学院准教授)から提供を受けた。
直径約1mの巣の中には、ひたむきに飛び続ける青い鳥のアニメーションが投影。手を差し伸べると、鳥が羽を休めて、手の平で束の間の休息をとる仕掛けになっている。アロマの香りと霧が漂う中、鑑賞者は五感や想像力が研ぎ澄まされ、「小鳥が本当にとまって、手をついばまれたような感触がある」といった不思議な感覚を味わうことができる。
審査会では、圧倒的な支持を得た。審査員の石橋圭吾さんは、「カワイイの本質を見事にとらえた作品。小さく、はかないものを守りたいという『かわゆし』という日本古来からの感情まで掘り下げて表現している」と高く評価した。
「外国での反応楽しみ」
昨年、子鹿とテンを描いた絵本で、「おおしま国際手づくり絵本コンクール」の最優秀賞を受賞している金澤さん。「これまでカワイイものや純粋無垢な存在をテーマに、作品に向き合ってきただけに、このコンペでの受賞は何よりも嬉しい」と喜ぶ。ヨーロッパでの個展については「外国の方はリアクションが大きいので、楽しみ」と話す。
同作品は、9月28日〜10月17日、関内の「横浜市民ギャラリー」で展示予定。
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