青葉区地震想定 M(マグニチュード).8・1で市内最少の被害 「地盤固い」などが要因か
横浜市はこのほど、7年ぶりに見直した市内の地震被害想定を発表した。前回想定した地震より、津波や震度の大きい4つの地震で被害を予測。想定によると、市内で震度が最も大きい「元禄型関東地震(M8.1)」の場合、青葉区の揺れや火災による建物の全半壊、焼失、死傷者数が市最少となった。この想定に市は「比較的揺れにくい地盤が要因の一つ」と話す。
市は、昨年の東日本大震災を受け、「最大クラスの地震・津波」を想定した被害の見直しを行った。今回想定した元禄型関東地震(相模トラフ沿い震源)は、津波や震動が前回の南関東地震(M7.9)より大きいため対象に選定。そのほか首都直下型の東京湾北部地震、南海トラフ巨大地震、高い津波が予想される慶長型地震を対象とした。
「揺れにくい」青葉の地盤
市は元禄型地震の場合、青葉区の震度は5弱から6弱と想定。揺れによる建物の全半壊は1129棟(市全体13万7100棟)、死傷者は最大で240人(同3万963人・午前5時発生)。震度分布図は前回の地盤データを基に、2万点のボーリングデータ(地質調査)や過去の地震記録などから作成。地盤の揺れやすさを表す「深さ30mまでの平均S波速度の分布図」によると、特に区内北部の岩盤が露出する地域は揺れにくい評価となった。市消防局危機管理室は「青葉区は震源地から離れ、他区と比べて揺れにくい地盤であることが被害想定の低い要因」と話す。
「区画整理で延焼しにくい」
元禄型地震では、市の火災による建物の焼失棟数は最大で7万7654棟(午後6時発生)。前回想定した南関東大地震の約11倍に上る。古い木造建物が密集する中区、南区、神奈川区が1万棟以上焼失する想定に対し、青葉区は36棟と市で最も少ない。区危機管理担当は「青葉区は他区より区画整理された面積が多い。建物が密集せず、道路が広いなどの点で、災害に強い街づくりができているのでは」と分析する。
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