設立30年を迎える横浜緑吹奏楽団の団長 中澤 良水さん 旭区在住 52歳
気持ちが作る『いい演奏』
○…「みんなで一つの曲を仕上げる。それぞれの音が交わった時はたまらない」。それが合奏の醍醐味だ。区内で活動するアマチュア吹奏楽団に在籍し、14年。学生から60代の団員60人をまとめる。「プロではないけど、アマチュアだからこそできる音楽を」。考えた一つが乳幼児から入場できる「青葉こども音楽まつり」だ。音楽鑑賞を遠慮しがちな子育て家族に向けたもの。「泣き声や話し声も大丈夫。音楽をもっと身近にしたい」
○…練習日程の組み立てや場所の手配、時には指揮者と演奏者の間に入るなど、団員が音楽に集中できる環境を整える。「息を吹き込み、楽器が共鳴して音が出る。だから音は気持ちに正直」。楽団の雰囲気が演奏の良し悪し決める。楽器は金管楽器・ユーフォニアムを担当。優しく丸味のある響きは、主旋律を生かす対旋律や伴奏など多彩な役割を担う。「合奏で初めて活躍できる楽器。一人で吹いても面白くもなんともないからね」
○…京都府出身。楽器との出合いは中学の吹奏楽部だった。「かっこいい」と憧れのトランペットを志願したが、楽器が足りず奏者を決めるジャンケンに負けて断念。「もうここには用がないなって思って、卓球部に入ろうとしていた」と笑う。その足を引きとめたのは何気なく手に取ったユーフォニアム。素人には難しい楽器だが、試しに吹くと音が鳴った。「『俺でもできるんだ』っていう感動が今でも忘れられない」。演奏歴は今年で40年を迎える。
○…「音楽は家族の理解があってこそ」。中学吹奏楽部時代の後輩である妻は、演奏会に度々来てくれる。「お客さんの受けがどうだったとか助言もくれてね」と心強い。結婚記念日には、昔の勤務先近くにある『木かげ茶屋』のケーキで感謝を表す。大学生の息子はクラリネット奏者として大編成の交響楽団に在籍。「自分より大きなホールで演奏しているよ」と顔には嬉しさがにじむ。一番身近な家族に『いい演奏』が伝わる。
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