インドネシア人の第一期生介護福祉士として藤が丘地区センターで講演を行う ティアス・パルピさん 鉄町「緑の郷」勤務 32歳
国境越えて夢つなぐ
○…「介護資格を取れるようにがんばります」。5年前、鉄町の施設で大勢の住民が見守る歓迎会でそう笑顔で応えた。日本とインドネシア両国の経済協定で日本の介護福祉士候補生として来日。「あの時、日本で働くなんて想像できなかったですよ」。明るい笑顔と流暢な日本語で話す。昨春、国家試験を突破し、今や立派な介護福祉士に。そんな姿に街から講演オファーが舞い込むようになった。自身2回目となる講演会。「精一杯がんばります」
○…ジャワ島中部スマラン生まれ。一人娘だが、挑戦に対し常に応援してくれる両親がいる。「負けず嫌いな性格かな」。看護大学では学生をまとめる副委員長に。1年半、日本に留学もした。看護師の研修生の最中、「日本の介護を学び母国に生かしたい」と海を渡った。日本語検定1級も取得。プレッシャーもあったが地域から届く合格を願う温かい声援に裏切れなかった。「日本人と同じ試験に合格できたことを誇りに思います」。明るく元気に入居者の名前を呼び、挨拶する声が施設に響く。元気ハツラツ。頼りになり、ファンも多い介護福祉士だ。
○…「得意な料理はかぼちゃの煮物」と微笑む。現在、桜台で新婚生活を送る。試験合格後、インドネシアにいた彼が来日。2人で生活を始めた。「国に帰る気持ちはまだない。日本でがんばろうって」。仕事と家庭を両立。桜台商店街が御用達だ。「ハンバーグ屋さんはお給料日に。パンも美味しいんです」。商店街は母国の自宅近くの景色と重なる。友人と「こどもの国」や施設職員と「つくし野アスレチック」に行くことも。「大好きな街」で毎日日本の暮らしを満喫している。
○…いつか母国で「デイサービスを作れたらって」。密かな夢を抱く。日本と違って老人ホームがない母国。「家族が介護をする国。だから、日中だけ家族以外がお手伝いできるサポートができたら」。国境なき介護福祉士として夢を追う。
|
<PR>
|
<PR>