こどもの国駅 仮設屋根で梅雨しのぐ 利便性改善へ前進か
横浜高速鉄道(株)=本社・横浜市中区=は大雪の影響で2月に落下した、こどもの国線「こどもの国駅」ホームの屋根の仮設工事を進めている。当初は今年度中の復旧を見込んでいたが、梅雨に備え「仮設屋根」の設置を決定。完成は6月末の予定で、同社は利便性の改善を図りたい考えだ。
横浜市の統計によると、2013年度のこどもの国駅の乗降客数は約446万人。1日平均で約1万2千人にのぼる。屋根落下後、降雨時は屋根のある改札付近が乗車待ちで混み合い、乗客が一部のドアに集中するケースも。また、駅利用者からは「ベビーカーでの乗車に負担がかかる」「屋根の復旧はいつ頃に」との声が、同社や駅長所在地の長津田駅に寄せられていたという。
そこで、同社は仮設屋根の設置を4月中旬に決めた。仮の屋根は駅舎と同じ約3mの高さで80平方メートル程度の広さとなる。同社施設課担当者は「梅雨時期に備え、駅利用者の負担を少しでも軽減できれば」と利便性を向上させたいねらいだ。町田市成瀬台に住む利用客の一人は「雨の日は困る。仮設でも屋根がないよりはあった方がいいので、できるのは嬉しい」と話す。
落下原因は検証中
落下した屋根は14年前に完成したもので、建築基準法の定める積雪30cmでも安全な構造で建設された。列車の運行・保守を行う東京急行電鉄(株)では四半期に一度の目視点検のほか、年に一度の定期検査を実施していたが、2月の大雪の影響で崩落が発生した。
現在、落下原因について鉄道事業の研究を行う鉄道総合技術研究所で検証している。「第三者機関の目で(落下原因を)検証し、本復旧の目途をつけていきたい」と高速鉄道担当者。
同駅のある奈良町連合自治会の関根宏一会長は「仮設に関してはとてもありがたい」とした上で、降雨時の乗車待ちについて「駅利用者には、ベビーカーを使う母親や高齢者への配慮をお願いしたい。本復旧も早めにお願いできれば」と期待を込める。
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