「本当は行くつもりも、予定もなかった」。きっかけはAPF通信社代表でジャーナリストの山路徹氏のツイッター。原発事故で取り残されたペットたちの救出を計画するつぶやきに、思わず「お手伝いできますか」とメッセージを送った。犬や猫の保護活動を個人で行っておりケージや犬用のリード、メーカーから寄付されたフード2箱があった。「体も動くし、私が行くべきじゃないかと思った」
すぐに連絡があり、5時間後には福島県へ車を走らせた。山路氏らとともに現地に入ったのは2011年3月31日。以来2年間毎週末、昨年は2週に一度のペースで被災ペットの救出に行くことになる。
最初に足を踏み入れたのは福島第一原発20Km圏内の南相馬市小高区。住民が避難時にリードを外していったのか、町中に痩せた犬が溢れ返っていた。「人を見ると近づいてくる。飢えもあるがそれ以上に人恋しいようで、甘えてくるんです」。捕獲しては2台の車に積めるだけ積み、重さで床が下がるほどだったがとても足りず、1回では終わらないと思い知った。その後は市長からの許可も得て楢葉町、富岡町、大熊町なども訪れレスキューを継続。妊娠を疑った犬のお腹には、飢えをしのぐためか軍手とビニール袋が入っていたことも。路上で息絶えた動物も多く見かけた。
おーあみ避難所は青葉区内2カ所にシェルターがあり、現在犬10匹ほど、猫100匹以上を保護している。60人のボランティアスタッフが朝・夜交代で餌やトイレの世話を担当。都内や関東近辺で写真展を行っているほか、里親会を毎月開催している。一匹ずつに名前を付けるのも自身の役目だ。「山津見神社(飯舘村)で見つけたからツミちゃん、旅館にいたからおかみさん。どこにいたかわからなくなってしまうから」
これまでに里親が見つかったのは犬・猫あわせて200匹以上。病気で50匹ほどを看取った。「どんな子も幸せになってほしい」。そう言葉を強めた。
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