18歳以下の子どもの自殺は、夏休み明けが最も多い――。そんな内閣府の統計を受け、藤が丘商店会(佐々木恵美子会長)では町内にいじめ防止の張り紙を掲示。自殺予防に向けた地道な運動を展開している。
きっかけとなったのは、8月26日に鎌倉市図書館がウェブを通じて投稿した公式ツイッターのメッセージ。「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、図書館へいらっしゃい」という呼びかけに「商店会としても何かできないかと思った」と、会員の植木真さん=ナチュラーレ・ボーノ代表=は話す。商店会副会長の三好寛朗さん=みよし治療室=らに相談し、取り組みを提案。当初は、学校に行きたくない子どもに居場所を作りたい、とも考えたが「お店では接客がありかまってあげられず、かえって孤立感を深めることになるのでは」との意見もあり、張り紙に思いを託すことになった。
張り紙には「自殺」という言葉はあえて使わず「いじめをなくそう」というメッセージを前面に出すことに。また、こどもの人権110番やチャイルドラインなど、子どものための相談窓口3カ所のフリーダイヤルを記載し「すぐに相談を」と呼びかけている。学校が始まる日に間に合うようにと、8月31日の夜までに、商店会が管理する街路灯20カ所に掲示した。子どもの目に留まりやすいよう、140〜150cmほどの高さに掲示することを意識したという。植木さんは「子どもも大人も、よってたかって責めるのではなく、何人かが味方になるような意識が持てれば。地域ぐるみで考えるきっかけになったらいい」と話す。自殺が増える時期に「長期休み明け」が挙げられていることから、大型連休のシルバーウィークが終わる9月末頃まで掲示される予定だ。
神奈川県と横浜市は、WHO(世界保健機関)が定める9月10日の世界自殺予防デーにあわせ、9月を自殺対策強化月間として首都圏の9都県市で連携。広域的な普及啓発に取り組んでいる。神奈川県警の統計データでは、2014年の横浜市の自殺者は532人(男性349人、女性183人)で、10年から減少傾向が続いている。
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