青葉区歯科医師会の会長に今夏就任した 藤尾 昭さん あざみ野在住 65歳
「あるがまま」を貫いて
○…高齢化が進む中で在宅医療が重要視されてきている。青葉区歯科医師会でも4月に地域連携室を設置し、在宅や高齢者施設への訪問診療体制を充実させてきた。「通院ができなくなったとしても、これまで担当していた医師が診つづけた方が治療効果も高くなり、費用も抑えられると言われている」と話す。通常診療後や休憩時間などを使っての訪問になるが「区民の口の健康、福祉を守っていくのが私たちの役割」と責任感の強さをのぞかせる。
○…子どもの頃から、納得のいかないことに対してはっきりと意思を示してきた。小学生のときは生徒会の副会長。休み時間、先生たちが運動場を独占してテニスをしていたことに異議を唱えた。「先生がいない隙に規則を変えた。すぐに元に戻されちゃったけどね」懐かしそうに目を細める。大学院時代には、満員電車に乗りたくなかったため遅めの時間に通学していた。「体が浮くほどの混雑に毎日巻き込まれるのはまっぴらだった。その分、ちゃんと夜は他の人より長く研究した」と笑って振り返る。
○…休みの日は自宅で庭仕事にいそしむ。患者に向けられている温かい対応は、草木や虫に対しても変わらない。「夏場に蜂の巣ができても駆除はしない。寒くなれば自然と居なくなるから」。無駄な殺生は決してしない。もらったイチゴの苗を育てていたところ、成長して新しい株ができるつる「ランナー」が200本ほどできてしまったことも。「間引きするのがかわいそうで。全部残していたら増えすぎて妻に怒られた」と苦笑する。今でも100本以上はあるという。
○…「いつまでも自分の歯で生活してほしい」。80歳で20本の歯を残すという「8020運動」を推奨している。「定期的な健診を受けていれば、決して難しいことではない」。余計なことはせず、自然体であるがままを維持していく。歯科医としても、人としても、その軸に変わりはない。
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