青葉区の社会福祉法人試行会(しこうかい)が今年1月、障害者の芸術作品展示や美術教室を目的にオープンさせた「あおばのギャラリー」(緑区十日市場町893の18)。これまでは施設関係者の利用がほとんどだったが、今後は地元の障害者や一般住民にも利用してもらえるように現在、準備を進めている。
ギャラリーは、昨年10月に同法人が完成させた障害者の日中活動拠点「十日市場ワークステーション」の地下1階部分。当初からギャラリーの開設を予定していたもので、約253平方メートルのスペースに障害者の絵画や書、造形作品等を展示している。現在は自閉症と知的障害がある氏田正人さんの作品などを展示。氏田さんは各所で個展を開催するなど、絵画制作活動を続けている。
地域交流の拠点に
同法人は、青葉区奈良町の障害者支援施設「青葉メゾン」など、福祉施設を複数開設してきた。「美術館」を設置する構想は20年ほど前から出ていたという。「障害者が暮らす場所や作業所等の活動場所は近年整備が進んできたが、一方で余暇や芸術活動の場は少ない」と、準備に携わってきた同法人の中西晴之さんは話す。「絵を描いたり、余暇を楽しんだり、健常者と同じ活動を障害者もできる社会をつくることが大切。障害者による芸術作品への理解を広め、地域の交流拠点になればという思いだった」
ギャラリーは同法人福祉関係者や障害者の保護者、芸術家らが協力して今年1月にオープン。正人さんの母親で副館長の氏田照子さんは「この広さで障害者の作品をメーンで常設展示するのは、横浜で初めてでは。地域に愛される美術館にしたい」と意気込みを語る。
一般住民にも開放へ
現在、養護学校や福祉施設等を回り、周知活動を進めている。6月からは、障害者を主な対象に絵画や粘土などの造形作品を制作する美術教室が始まる予定だ。5月まではその準備段階として、体験教室を無料で実施している。
3月12日の体験教室には11人が参加。青葉区に住む佐伯恵さん(16)とその家族も参加し、絵の制作に取り組んだ。父親は「娘は障害があり、一人で閉じこもりがちだったが、絵が好きなので参加した。社会との接点になれば」と話した。
教室は毎月第2・第4土曜日の午前と午後の各日2回。芸術家で講師を務める櫻井克樹さんは「今後、一般の子ども対象の教室も実施予定」と話す。詳細はギャラリー直通【携帯電話】070・4103・7745。
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