アフリカン現代アート「ティンガティンガ」の画家、ムテコ・ユスフ・イッサさん(35)が4月24日、嶮山小学校(山口昭代校長)を訪問し、原画作品を寄贈したほか、児童たちを対象としたワークショップを実施した。
ティンガティンガは、タンザニアで1960年代後半に生まれた様式で、サバンナの動物や豊かな自然などを黒、白、黄、緑、青、赤のペンキ6色で表現する。ムテコさんは、同国ナカパーニャ村出身で、水を汲んで売り歩く仕事をしていた17歳頃から、ティンガティンガ・アーティストになることを夢見てきたという。修業を積み、現在、躍動感あふれる動物画を強みに、制作を行っている。
交流はタンザニア在住で同国製品の輸入等を手掛ける島岡強さんと、友人で写真家の新井秀幸さんらが協力して実施。同国を知ってもらうと同時に、アートを通した交流の機会提供を目的に横浜市内の小学校などで毎年行われているが、青葉区内では初めての開催。
当日は全校児童を前に、ムテコさんが描いた作品を寄贈。「共に、生きる」をテーマに、キリンやゾウなどの動物を描いたもので、作品が披露されると、子どもたちからは歓声が上がっていた。ムテコさんは「絵を通してタンザニアのことを知ってほしい」と話したほか、「動物も親子や兄弟、周囲の生き物とのつながりのなかで生きている。人間も含め、すべての動物が共存していることを伝えたい」と語った。
式典では、新井さんがタンザニアの生活や環境を写真で紹介。児童らは興味津々な様子で、説明に耳を傾けていた。男児が「絵を描くときは何を心がけているの」と質問すると、ムテコさんは「動物たちが何を話しているかまで頭のなかで考え、想像して描いている」と答えていた。
ワークショップで交流も
その後、4年生約50人がワークショップに参加。ムテコさんが、6色の絵の具でグラデーションを用いながら実際に絵を描いて見せた後、児童らが体験。「イメージを膨らませて」という説明を受け、子どもたちはそれぞれ、しま模様や水玉など、色とりどりの動物を表現し、楽しんでいた。
ムテコさんは、現在開催中の「ティンガティンガ原画展」に合わせて来日。原画展は、タンザニアの画家たちの雇用安定や、生活の向上を目指して、毎年開催されているという。横浜展は中区のギャルリーパリ(日本大通14の1階)で5月7日(日)まで行われる予定。
|
<PR>
青葉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>