寺家ふるさと村四季の家(山田耕作館長)が、11月に30周年を迎えた。寺家町が横浜市の「横浜ふるさと村」に指定され、総合案内所として整備された同館。市民に農業や自然に親しんでもらおうとさまざまな事業を行ってきた。その歩みを振り返る。
四季の家は、1987年11月11日に開館。ホールギャラリーに加え3つの研修室と農産加工室を有する唯一の公設施設として、寺家ふるさと村の総合案内所の役割も持つ。市が委託し、地元住民やJA、学識経験者らから成る四季の家管理運営委員会が運営している。
市民に農業や自然に親しんでもらおうと、ギャラリーでは寺家の農業や地形がわかるパネルのほか、山野草や昆虫の標本などを常設展示。地元農家が協力するみそ造りやそば打ち体験、寺家をめぐるガイドツアーや野鳥観察会などを催している。山田館長は「市民の方々に農村を見てもらい、農業や自然がどんなものかを広めていくのが目的」と話す。30周年の節目にあたり、寺家の歴史を振り返る展示なども企画していくという。
寺家ふるさと村は、戸塚区の舞岡ふるさと村とあわせて市内で2カ所指定されている「横浜ふるさと村」の一つ。開発による都市化が進む70年代以降、良好な田園景観の保全や地元農業の振興策のために市が始めた事業だ。寺家では81年に市と地元住民による勉強会が始まり、翌年に協議会を設立。83年に市内で初めてふるさと村の指定を受け、87年に「開村」した。農家や釣り堀を営む地元住民らによる「寺家ふるさと村体験農業振興組合」が設立されたほか、用水路などの生産基盤や自然散策路も整備。四季の家はこの整備の集大成として設置された。
四季の家の来館者は近年着実に増加しており、昨年度は併設のレストランとあわせて10万人ほどが訪れている。一方で、組合員が営む周辺の施設はこの30年でなくなったものも多い。山田館長は「これからも四季の家として、できる形で市民の方々に農業や自然をPRしていきたい」と話している。
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