先月行われた首都大学野球リーグ春季大会でMVPを獲得した 辻孟彦(たけひこ)さん 日本体育大学4年生
プロ野球一筋の鉄腕
○…先月行われた首都大学野球リーグで、日体大を13季ぶりの優勝に導いた鉄腕投手。147キロの直球とコントロールの良さで、MVPを獲得した。「結果的には良かったが、良いピッチングが出来たかという点では、反省点も多い」。スカウト陣から”新鋭の鉄腕”と注目されるが、結果にとらわれることなく、真摯に野球と向き合っている。
○…出身は京都府。兄の影響で小学3年生からボーイズリーグへ。肩の強さを買われ、5年生でピッチャーに抜擢された。全国優勝やジャパン入りと華々しい経歴の中で、自ずと描き始めた将来像。「プロ野球に行きたい」。遊びも我慢して練習に励んできたが、どこか甘えがあったのだろう。中学時代の監督に激を飛ばされた。「お前にはハングリー精神が足りない。そんな半端な気持ちではプロにはなれない」。夢から明確な目標へと変わった瞬間だった。
○…高校は甲子園常連校へ進学するが、入学と同時に右肘を故障してしまう。歯痒さもあったが、”もっと先”を見据える鉄腕に焦りは無かった。「完治するまでの1年以上、我慢して投げなかった」。この怪我がプロ意識へと変わり、強い信念に。「どんな状況でも、アップ前はボールを握らない」。青葉台の接骨院に通い、肩や肘の疲れを残さないなど体調管理にも余念がない。「誰よりも野球が好き」。投手としては珍しく、毎日の素振りも欠かさず行う。
○…「今までは自分が投げていない試合は負けても悔しくなかったし、優勝しても安堵感の方が大きかった」。”勝って当たり前”のエリート投手の価値観を大きく変えたのが、”人間力”を尊ぶ日体大野球。今、第一に考えるのはチームの勝利。どうしたら強くなるのかを仲間と本音で話し合ってきた。まさしくチームの一体感で勝ち取った今季の優勝。野球人生の財産となり、チャンスにもつながった。プロも注目する逸材へと急成長したエースの活躍に期待が掛かる。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>