「横浜市青葉区歯科医師会」6代目会長に就任した 北野 道廣さん あざみ野在勤 60歳
地域に耳傾ける”ホームドクター”に
○…歯科機材の荷物を手に「こんにちは」と元気に訪問先の玄関に立つ。「街には歯を診てもらいたくても、医院に来れない患者さんがいる」。長寿全国1位の青葉区。歯科医師会6代目会長は訪問歯科診療の強化を会員に呼びかけ、地域医療サポートに取り組む。目的は診療だけではない。「今こそ地域に耳を傾けなくては」。街を歩いて訪ねる先には、いつも高齢者たちが待っている。
○…「これから楽しみな街だ」。約30年前、田園風景が広がるあざみ野に降り立った時、そう思い駅前での開院を決意した。故郷は大分県。幼い頃から歯科医である父親の背中を追いかけ、場所は違えど親子二代に渡り北野歯科医院の看板を街に掲げることができた。先日、開院以来の患者と「”白髪が増えたね””こんなに腰曲がってた?”なんて話をしたところ」。あざみ野の街・人とともに歩んできた30年を噛み締める。
○…身長181センチのどっしりとした体格が印象的だ。学校の運動会ではその存在感から常に”応援団長”に抜擢。校内に力強いエールを送り続ける存在だった。好きなスポーツはずっと野球。医師会野球チーム「グリーンパワーズ」では60歳の”最年長”一塁手として活躍する。「勝てるのは声だけ」と苦笑い。ベンチから力強い檄を飛ばす。「野球を通じて互いの意外な部分が発見できるから、仲間の絆も強くなる」。メンバーを温かく見守る。
○…6月に1週間、東北被災地で医療支援へ。歯が痛いと訴える人々の原因は歯が悪いからではない、”環境”や”心のストレス”から来るとわかった。「現場でしかわからなかった事実」。自身の現場である青葉区に帰り、「今の医師会・地域でできること」を改めて考えるきっかけになった。「若い世代がもっと活発になる会にさせ、地域に貢献していきたい」と”リーダー”として会を率いる。現場を思う声を会員一人ひとり、地域に届けるために。
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