内閣府「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」高齢者関連でデンマークに派遣された 上野 秋子さん 鉄町「緑の郷」介護福祉士 41歳
現場から届ける福祉の心
○…「福祉国家デンマークを自分の目で確かめたい」と思い海を渡った。全国から青年海外派遣の一員として選ばれた。デンマークで福祉交流などを体験。「人々が福祉に対して、とてもエネルギッシュな国だった」。介護福祉士になって13年が経つ。現場経験や知識もベテランだが、10日間の滞在で「日本との違いを目の当たりにしました」。福祉先進国の”今”を体感できた。
○…デンマークには高齢者支援を行う巨大ボランティア団体が存在していた。人口約550万人に対し約50万人の組織。高齢者にとって暮らしやすい社会作りを「国全体が前向きに取り組んでいる」と福祉先進国の強さを実感した。その意識は、福祉現場で働く職員へのケアの厚さにも生きていた。その一方、日本の福祉用品が予想以上にデンマークに導入されていた事実を知り、「日本は福祉関連の技術開発に優れている国だ」。日本の強さも知った。
○…大学卒業後、病院で相談員の仕事をしていたが、自分の手で直接困っている人を助けられる福祉現場に惹かれ、介護の道へ。歴史ある鉄町の施設で係長として現場を駆け巡る毎日。「昔あった”長屋”のような良さがある」。一つ屋根の下、皆で助け合いながら暮らす施設での日常生活に微笑む。施設で働くインドネシア人の介護福祉士候補者2人の教育係にも尽力。「単に外国人と一緒に働いた思い出として終わらせたくない。両国の違いを把握し、それを生かすことで施設は変化を遂げる」と願う。
○…介護福祉士は施設外交流が他業種に比べ極めて少ないと感じてきた。「海外派遣をきっかけに色んな人と交流してきたい」。一つ目標ができた。まずは地域に目を向け、同僚の地域交流担当者にノウハウを学んでみる。施設でのデンマーク報告会も控えており、「自分が見て感じたことを伝えたい」。出発点はあくまでも現場。「だから、ずっと介護現場にいたい」。優しい笑顔の中に芯の強さが見えた。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>