市ヶ尾中図書室 大改造後、利用者が急増 一日平均100人超えの人気施設に
「生徒たちを本好きにしよう」と市ヶ尾中学校(平川理恵校長)では、児童文学評論家の赤木かん子さんや図書ボランティアに依頼し、一昨年12月、図書室を大改造。リニューアル後の昨年1年間で、一日の平均利用者が100人を超えており、そのノウハウに各方面から注目が集まっている。
同取り組みは、長年、手入れされておらず、特定の生徒の利用しかなかった図書室をリニューアルすることで、図書室に生徒を呼ぼうと平川校長が発案したもの。2010年秋、学校図書館の活性化に力を注ぐ赤木かん子さんに直談判し、改装が実現。同年12月から翌年1月にかけて、生徒や図書ボランティア、保護者ら延べ100人で大掃除から蔵書整理、パネル作成に至るまで、大掛かりなリニューアルを行った。赤木さんプロデュースによる改装は市内では初めて。
改装後、見違えるほど明るくなった図書室。以前は一日平均69人程度だった利用者が、この1年間で平均100人以上の利用者があり、最高160人がひしめき合うほどの”人気スポット”へと生まれ変わった。座りきれず、立ち読みする生徒が出る日もあるという。
男子目線でレイアウト
『図書室は男子生徒に合わせて作ると賑わう』という赤木さんの信念のもと、”男子目線”でレイアウトも変更。以前から「ワンピース」「ナルト」などの人気漫画も取り扱っていたが、図書室の一番奥に配置した。動線を斜めにし、ほかの分野の書架を横切らせることで、漫画以外の本も稼動するようになったという。また、生徒が興味関心を示しやすいようにSF・ミステリー・漫画・ライトノベル…と分野ごとにパネルを作り、配列にも工夫を凝らした。結果、男子生徒の利用が増加し、チャイムと同時に駆け込んでくる姿が見られるようになった。2年生男子生徒は、「利用するのが楽しくなるようなレイアウトや分類になった」と話す。
モラル向上にも効果
「人数はともあれ、図書室の雰囲気や生徒の行動が大きく変わった」と同校卒業生の保護者で、図書ボランティアの森理恵さん。以前はおしゃべりに来ていた生徒も本にかじりつくようになったほか、本の扱いが丁寧に。また、紛失する蔵書も無くなり、モラル向上にもつながったという。
こうした結果が注目を集め、市内外から図書関係者らが視察に訪れるほか、昨年11月には、もえぎ野中の図書委員らが来校。「利用者の本の扱いが丁寧なのは、何か工夫をしているのですか」などの質問が寄せられ、情報交換を行った。
平川校長は「生まれ変わった図書室で、生徒の心の成長や知の探求を見守っていきたい」と話す。
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