10周年を迎えた『げんきかい』の代表 村田 慶子さん 市ヶ尾町在住 69歳
笑顔が居場所を作る
○…「スタッフや”げんきかい”利用者さん、皆さんで支え合ってきた10年」。振り返ると出てくるのは感謝の言葉だ。今は亡き夫・誠宏さんが高齢者の介護予防と仲間作りのために立ち上げた同会。現在は賭けない、飲まない、吸わない”健康麻雀”を中心に、週6日開催されている。見ず知らず同士でも麻雀卓を囲めば、自然と会話が生まれる。「皆さんが笑顔でお帰りになるのを見ることが一番好き」。朗らかな人柄が周りを元気にする。
○…きっかけは誠宏さんの『地域のためになることをしたい』という一言。中古車販売店を経営する夫に、「ほかのことを始めるのは心配」と初めは賛同できなかった。夫に押し切られ、会が設立すると、一緒に会の運営に奔走。立ち上げ3年目にその夫が病に侵された。『僕の看病より、げんきかいの方へ』。入院中も会を案じていた夫は1年後に他界。一時は会の閉鎖も考えた。それでも継続を後押ししたのは利用者からの「居場所がなくなってしまう」という言葉。元々人が好きで前向きな性格。スタッフとともに「できる限り、やってみよう」と決心した。
○…宮崎県出身。7人兄弟の5番目に生まれる。兄や両親に可愛がられて育った。35歳の時、嫁に行かない姪を案じた叔母が見合い話を持ちかける。相手は12歳年上、住まいは横浜。「絶対に嫁(とつ)がない」と断固拒否を決める娘に、父は『嫁がなければ縁を切る』と言い放った。父の固い決意に結婚を承諾。家を発つ日、父は見送りに来なかった。母から、田んぼで一人、泣いていたという話を後で聞いた。「自分の将来のため、敢えて鬼になった父に感謝している」と目を細める。
○…『一日、一日を大事に生きればそれが老後につながる』。夫の言葉が最近思い出される。4人から始まった会は、現在一日に40人以上が利用する。「夫が知ったらきっと驚く。皆さんに助けられているおかげ」。明るい笑顔が居場所を作る。
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