カンボジア支援のため、7月29日から自転車でウクレレ全国ツアーを開始する 八桁(はけた)圭佑さん 青葉区在住 27歳
「微力だけど無力じゃない」
○…「本当の強さは優しさの中に」。そう力強く言い切る。29日から始まるウクレレ全国ツアーでは、カンボジアで生産された和紙を販売。売上はツアー収益金とともに村民に還元する。家族とともにいたい-。「その願いを叶えてあげられたら」。優しい眼差しの奥には熱い思いがある。
○…海外ボランティアで21歳の時、初めてカンボジアへ。「電気も水道もなく、子どもたちが水汲みなどをして働く姿に衝撃を受けた」。帰国後に募金活動を行い、2012年に現地で小学校建設に携わった。しかし貧困のため子どもたちも農閑期に出稼ぎへ行く必要があり、次第に学校へ行かなくなる現状を知る。「村に産業を興すことで出稼ぎの必要をなくそう」。現地の子どもたちの笑顔を胸に、資金調達のため3カ月かけヒッチハイクで日本全国28カ所を巡るウクレレツアーを開始。学校建設から2年後、和紙生産の作業所を現地につくった。「人とのつながりの大切さなど気づかされることも多い」という。「近隣に住む人の名前も知らないことがある。今後は地元で周囲とのつながりも大切にしたい」と話す。
○…独学で楽しんでいたウクレレのプロになったきっかけは「バーのお姉さんに見栄をはって『プロのウクレレ歌手』と言ったこと」。翌月にはライブに呼ばれ、猛練習の末、初ライブに至った。「あの時はレパートリーも少なくモノマネで時間を稼いだ」と、はにかむ。今やメジャーデビューも視野に入れ、活動に励む。「ウクレレの温かい音色が人の心を動かし、ボランティアにつながれば」
○…尊敬しているのは、ホタテ養殖の先駆者の一人という曽祖父。「自分の生き方は一般的ではない」。前例がなく、周囲に反対されてもやり抜く曾祖父の姿を手本に「社会貢献を人生の軸にしたい」。不屈の精神は受け継がれているようだ。「微力だけど無力じゃない」。抱いた熱い思いを形にするべく、今日も突き進む。
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