横浜知財みらい企業 荒木技研が新規認定に 独自技術で経営強化
横浜市では独自の開発技術やノウハウなど、知的財産を生かした経営に取り組む中小企業を「横浜知財みらい企業」に認定し、金融支援や企業PR支援を行っている。パイプの分岐加工を手掛ける荒木技研工業(株)(荒木将式(まさのり)代表取締役)=寺家町=が9月1日、新たにこの認定を受けた。
「横浜知財みらい企業支援事業」は認定を受けた企業が1年間、金融支援や、海外での展示商談会出展時に助成などを受けられる制度。市が2011年度から開始した。
荒木技研工業(株)は空調などに用いる金属パイプ同士をつなぐ、バーリング加工と呼ばれる技術を開発。さらに同加工を施す機械製造も手掛けるなど、独自の技術を生かした経営に取り組んできた。その積み重ねが評価され、今回の認定に至った。
荒木社長(36)は「中小企業だと特許を申請するだけでもコスト的負担が大きい。さまざまな支援がありがたい」と話す。
バーリング加工により溶接作業が簡略化、欠陥が出づらくなりコスト削減にもつながった。ニュートリノの研究施設やリニア新幹線の配管でも同社製造のパイプが使用されているという。
難しい仕事の依頼があった時には、都筑区や港北区で知り合いの同業者と相談しながら取り組むこともある。今回、他の認定企業と連携するきっかけにもなるのでは、という期待もあり応募した。荒木社長は「今後、異なる専門分野の中小企業との協力も視野に入れ、新しいものづくりを発信したい」と展望を語る。
「横浜知財みらい企業」は年に2回募集が行われ、今回は市内の41社が認定を受けた。区内ではすでに認定を受けていた(株)土壌環境プロセス研究所と(株)ベストエバージャパンが今年度も更新となった。9月19日には中区で認定証授与式が行われる予定だ。
市経済局経営・創業支援課の今宮佳浩課長は「独自の技術やサービスなどの知的財産を有効活用し、発展を目指す企業を市は全力で応援します」と話す。
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