「すすき野たまりんば計画委員会」の理事長で、交流施設を開設した 宮崎 泰雄さん 荏子田在住 67歳
人の「和」、胸に前進
○…すすき野で進行する高齢化に一石を投じようと、発案された「たまりんば計画」。その一つとして、高齢者をはじめ、誰もが気軽に集える施設「たまりんば」を8月に開設した。福祉相談や在宅医療の取り次ぎ支援などを行うのが、将来的な目標だ。足かけ5年での実現に「やっとスタート地点に立てた。地域住民の悩み解決に役立つ場所になれば」と語気を強める。
○…ガス関連会社で働いていたが「自分の力を試したい」と56歳で独立。その直後、連合自治会の会長職の打診が舞い込み、同時進行でやるつもりで引き受けた。だが膨大な仕事量を前に「両立はできない」と痛感。会長の道を選び、10年以上が経った。「会社はいつか退職するけど、地域は最後まで生きる場所。おかげで目標に向かって一緒に活動する素敵な人たちに出会えたよ」と目を輝かせる。
○…会社員だった管理職時代は荒い気性で、壁にぶつかると部下を怒鳴ることも。転機が訪れたのは部署で大きなトラブルに見舞われたとき。感情を抑えて、誠実に話をすると、自然と職場の仲間が助けてくれたことに驚いた。「感情的になっていたときは周りが見えていなかったけど、問題が起きたときこそ穏やかに話をすれば協力してくれる人がいる。一人じゃないって気付かされた」。当時の経験は仲間との「和」を大切にする信念につながった。「たまりんば」が白紙になりかけたときも対話を重ねると自然と協力者が集まり、危機を乗り越えられた。
○…仕事に情熱を注ぎ込む一方、お酒の席も大切にする。連合自治会の土台をつくり上げた先代会長たちや、民生委員ら仲間たちとは頻繁にすすき野の未来を語り合う。テーマは「学校のいじめ」「高齢者の安否確認」など多岐にわたる。議論は深夜まで続き、気持ちが入りすぎてけんか腰になることも。「熱い人がいっぱいいて困っちゃうよ」。仲間と冗談を交えながら、今日も「和」の中にいる。
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