オレンジの看板が目印の大手牛丼チェーン「吉野家」。同店で提供される米やタマネギ、白菜、青ねぎなどの一部を生産している会社が、区内鴨志田町にある(株)吉野家ファーム神奈川(日高敬一社長)だ。
生産から消費まで自社で行うことで、食の安全と品質の確保につながるとして、2009年に設立。牛丼に欠かせないタマネギの生産を鉄町の農地(約3200平方メートル)でスタートさせた。6年目を迎え、タマネギや白菜、青ねぎなど「吉野家野菜」のほか、地元スーパー向けのレタス、小松菜なども生産している。規格に適した食材は埼玉県にある吉野家のセントラルキッチン(加工工場)に運ばれ、関東地方を中心とした700店以上で消費者に提供。昨年12月には恩田町の畑で白菜の収穫が行われ、約10トン分が加工工場へ運ばれた。牛すき鍋膳やサイドメニューのキムチ、お新香に「恩田産白菜」の一部が使用される予定だ。
耕作地は現在、鉄町や恩田町、寺家町など区内のほかに、秦野市、伊勢原市などにも広がり、当初の10倍にあたる約3万2000平方メートルで米や野菜作りに取り組んでいる。吉野家ファーム社員で青葉区内の農家・金子栄治さんは「地元だけで農業をやるより、しっかりとした大企業とタッグを組むメリットはある」と話す。実際に小松菜など新たな野菜作りも行い販路を拡大しているという。
本格的な米作りに参入
牛丼のタレが浸透しやすく、粘り気の少ない米「みつひかり」の本格的な栽培に、今春から取り組む。山梨県で地元のJA梨北と連携し、約5万平方メートルの土地で米作りを開始する。3月下旬から現地へ社員を派遣し地元農家らと協力していく方針だ。
日高社長は「神奈川の耕作地全部より大規模な土地での米作り。水も良く、日照時間も長いので美味しい米ができるはず」と期待を膨らませている。
青葉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>