「1人で取り組んでいると疲れてしまうこともある。お互いの活動を確かめ合う時間、つながりが必要」―。
宮城県南三陸町の被災者が手作りする保温調理カバーなどの販売を通して被災地支援を続けている渡辺良子さん(67)らが中心となり、昨年8月にスタートした「東北キッチン」。毎月11日前後にあざみ野のコミュニティカフェ・スペースナナに集い、岩手県陸前高田市の椿油など東北ゆかりの食材を調理し、それぞれの取り組みや現地の様子について話しながら食を共にする。参加費の一部を義援金に充てている。
中心メンバーの長尾亜紀さん(47)は「東北に関心を持ち続けることが大切。活動している人を知ることで前向きになれる」と話す。これまでには、震災をきっかけに横浜から故郷の宮城県気仙沼市に戻って暮らす人を呼び、被災地の現状を聞く会を開いたことも。「こういう取り組みがあることを喜んでくれた」
キッチンの存在が口コミで広まり、ボランティアに通う人や福島県で作られたハンドメイド作品を販売する人など、個人で支援を続ける人同士が出会う「場」になっている。「『3・11』はあまりに凄まじい出来事。私たちの活動は点でしかない。ゆるやかでもつながることが大切」と渡辺さんは意義を語る。
「自分がやれる範囲で」
渡辺さんは2012年の夏、鍋にかぶせると余熱で調理することができる「保温調理カバー」の存在を知り、「使う人は震災を忘れず、被災者の収入にもつながる」と被災地で生産をしてくれる人を探した。偶然出会った南三陸町の高橋真理江さんに依頼し、約2年前から販売を続けている。
長尾さんは、「3・11」を忘れないための全国的な取り組み「ともしびプロジェクト」の横浜支部を13年3月に立ち上げた。以来、毎月11日にキャンドル作りの講座を行い被災地への思いを形にしている。「自分がやれる範囲で取り組み、『わすれていない』と被災地に伝われば」と話している。
「ここに来ると元気が出る」と口をそろえる2人は「私たちのような点がつながりあって面になれれば。誰でも気軽に来てほしい」と呼びかけている。
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