外部団体と協力して独自の就職支援事業を進める県立田奈高校(中野和巳校長)の「ぴっかりカフェ」が、4月10日に今年度初めて開店した。学校とNPO法人パノラマ(石井正宏理事長)が共同運営する就職相談窓口として昨年12月、図書館にオープン。生活困窮世帯など困難を抱える生徒が多く在籍する同校で、就労や家庭の問題など生徒たちのさまざまな悩みを気軽に話せる場を提供している。
週1回、昼休みと放課後に開かれるカフェには、毎回80人ほどが訪れるという。1人1杯の飲み物とお菓子が無料で提供され、石井さんや学校司書の松田ユリ子さん、学生ボランティアなど「人間関係が親、友人などに限られている生徒にとって、普段話す機会のない人たち」との他愛のない会話を楽しむ。本や雑誌はもちろん、楽器やカメラなども用意し「生活困窮世帯の生徒たちが『文化的なシャワーを浴びれる場』にしたい。自立の動機づけになれば」と石井さんは話す。
教員とも情報共有
オープンから4カ月、校内での認知度も上がった。生徒たちが進路や家庭のことなど、何気ない不安をこぼす場になっている。毎回、訪れているという男子生徒(3年)は「暇つぶしに来る。自然にバイトや進路の話ができる」と話す。石井さんは「本当に深刻に悩んだときのための関係づくり」と意義を語る。閉店後には、就職支援担当の金沢信之教諭らと、その日の会話の中で気になった点を共有している。「こういった取り組みを青葉区の人たちにも自分事、地域の課題として知ってほしい」と話している。
カフェの運営費は、ウェブを活用して全国から集まった寄付金で賄われている。
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