4月1日付けで青葉消防署長に就任した 関谷 寿男さん 緑区在住 58歳
消防一筋、現場を貫く
○…2回目となる青葉区での勤務に「自然が多い青葉で、また仕事ができるのは嬉しい」と笑顔をみせる。消防人生のほとんどを火災や事故、水難救助などのあらゆる現場に出動する特別救助隊で過ごしてきた。さまざまな現場での経験から「何よりもチーム力が大切。個々の力で成し遂げることはできない」。とつとつと話す。「青葉区は防災意識が高い。まずは火災ゼロを目指したい」と決意を語る。
○…潜水員として水難救助にあたっていた20年以上前。真っ暗な水の中での捜索に「恐怖心があった」と、なかなか発見できずにいた。当時の先輩に「『私が見つけてあげるから』と思って潜らなければ発見できない」と諭され、気持ちの切り替えができてからは「不思議と発見できるようになった」。見つかった人を救急隊に引き継ぎ「9分9厘無理だとわかっていても、『どうにか助かってほしい』と願って処置を見守った」。記憶がよみがえり、目が潤む。
○…長野県真田町(現上田市)の出身で、愛読書は「『真田太平記』」。自然が豊かで「幼い頃は山で遊んだり、使われていない水道管の中を探検したり―。よく親に怒られていた」と懐かしむ。小学生時代、体育が好きすぎて「担任に『体育ばかりやらず勉強もしなさい』と言われた」。地元のマラソン大会で上級生を差し置いて優勝するなど、運動能力の高さは折り紙つき。「体を動かす職業で誰かの役に立ちたい」。そんな思いが募っていった。
○…高専の卒業年、たまたま目に留まったポスターに導かれて消防の道へ。38年間、数多くの現場をくぐり抜け「おそらくここが最後の勤務地」と話す。東日本大震災では、県隊長として発生から11日後に福島県入り。被害の大きさを体感し「大震災は消防だけでは対応しきれない。地域の団結力が大切」と訴える。「どんどん地域に出て防災指導に力を入れる。自助共助のすそ野を広げていきたい」。現場で信念を全うする。
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