知的・情緒障害などのある子どもを対象にした「個別支援学級」の専用教室が今年度、あざみ野中学校とみたけ台中学校で整備される。横浜市は個別支援学級向け専用教室の改修工事を市立小・中学校で行っており、今回青葉区内の2校に着手。これにより区内では今年度中に、全ての小・中学校で専用教室の整備が完了する予定だ。
あざみ野中学校の個別支援学級は、地域の要望を受け改修前の2012年に開設。現在は14人の生徒が在籍し、3つの学級がある。これまで校舎に併設された新棟の多目的室2部屋を活用していたが、全校生徒数の減少に伴って一般学級が減り、空き教室が増えたため改修が可能になった。一般学級と並ぶフロアに2教室を整備し、従来の教室も利用しながら運営する。担当教諭は「開設の時から考えてきたが、教室の距離が近くなることで一般学級の生徒とより交流が持てるようになる。同年代の中で自分自身を見つめる機会になれば」と期待を寄せる。工事は夏休み中に完了する予定だ。
みたけ台中学校には個別支援学級はこれまでなく、未設置校は市内では同校と港南中学校(港南区)のみだった。そのため同学校区で個別支援学級を希望する生徒は学区外の近隣校等に進学する必要があった。着工は夏休み頃で今年度中に完了予定だが、開設時期は未定。同校は「一般学級でも普通高校への進学が難しい(境界線上の)生徒もいる。開設でより専門知識のある先生が来てくれたら、生徒の進路選択の幅も広がるのでは」としている。
未設置、全市で9校
市は専用教室設置にあたり、個別支援学級に在籍する児童・生徒が適切な環境で教育を受けられるよう、1985年度に作成した「標準図」をもとに整備を行ってきた。標準図では、隣り合った2教室の利用が基本。机や椅子のある学習室と流しや作業スペースがある教室が整っていることが望ましいとされている。
しかし、生徒数が少なく1部屋で対応していたり、スペースがなく暫定的に流しの設置工事だけを行っているなど、整備の有無や進ちょく状況は学校により異なる。市教育委員会教育施設課担当者は「空き教室の有無等により、整備状況はさまざま。生徒らの受け入れが先行し、元々の設備を活用して専用教室としている学校もある」と話している。市は新設校や改築による整備を行った学校を除き、昨年度までに479校を整備。これにより、今年度末の専用教室の未設置校は、小・中あわせて全市で9校となる。
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