横浜市は5月、中区の北仲通南地区に整備予定の新市庁舎建設・設計費が749億円になると発表した。昨年3月の基本計画策定時から133億円増。補正予算は5月29日の市会本会議で可決されたが、膨らむ予算に整備時期や内容の見直しを求める声も根強い。
資材・人件費が高騰
昨年3月の横浜市の試算では、想定建設費単価に延べ床面積をかけた概算で、建設・設計費を約616億円とした。同年12月には、CM(工事監理)事業者を導入し概略設計資料から積算。標準建築費の上昇などもあり約667億円に。さらに今回、仕上げや設備の仕様を確定した上で再算出し、約749億円となった。
予算増の要因の一つが建築資機材と人件費の上昇で、40・9億円増(昨年12月対比)。標準建築費の上昇は急騰した一昨年より緩やかになっているものの、今後も続くとみられる。市はこれまでの変動率をもとに、10月に予定している入札時までに2・7%アップすると想定。今回の試算に反映させている。
また、みなとみらい線馬車道駅から新市庁舎の屋根付き広場に直結するエレベーターや広場と市庁舎をつなぐエスカレーターの設置など、設備計画の変更も行われた。このほか大地震発生に備えた機能の充実と強化も盛り込み、18・4億円増(同)となった。市総務局担当者は「屋根付き広場は駅から街への玄関口となり、街の賑わいやおもてなしの場」とその役割を位置づけ、市民に理解を求める。
早期整備に疑問の声も
2020年の五輪前の完成を目指す市に対し、「建設単価や人手不足が鎮静化する五輪後に整備を延長するべき」という声もある。これに対し市は、災害時の危機管理機能の強化、庁舎分散化の解消、現施設・設備の老朽化を理由に早期整備の必要性を訴える。「大地震のリスクはひっ迫している。災害対策本部の機能を十分に発揮し、職員全員が迅速に業務を進めるためにも、災害に強い建物は喫緊の課題」という。また五輪後でも、建設労働者不足は変わらず、1960年代に整備された公共施設が一斉に更新時期を迎えることなどから建設需要の大きな落ち込みはないと予測する。
今後、10月に入札を行い、17年夏ごろに着工予定。
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