絵本作家育成を目的とする「ピンポイント絵本コンペ」が先月行われ、横浜美術大学4年の高橋祐次さん=人物風土記で紹介=が、応募総数175点の中から2位にあたる優秀賞に輝いた。7月11日(土)まで、東京都港区のピンポイントギャラリーで受賞展覧会が行われている。
同ギャラリー主催で2000年から始まった絵本公募展。今回で16回目となり、これまでに受賞作12点が刊行されるなど若手作家を多く輩出している。
高橋さんが所属する同大イラストレーションコースでは、構想から装丁までを手がける絵本制作を実施。授業の課題で取り組んだ作品『博士の家』で入賞を果たした。絵本コンペでは初の受賞とあり「めっちゃうれしい」と顔をほころばせる。物語は、「家を頭からすっぽりかぶったようないでたち」の男と、いたずら好きの兄弟が登場する独特の展開。「思いきり不思議な雰囲気にしたかった」と、当初考えていた案から大幅に変更。実はロボットだった男がバラバラになる場面を盛り込むなど、1週間ほどで構想を固め、3〜4カ月で全31ページを完成させた。
作風は絵の具の一種である「アクリルガッシュ」と、色の定着や発色補助に効果的な画材「ジェッソ」を使った、繊細な色使いが特徴だ。審査員からも「みんな、この絵の魅力にやられた」と高評価を得た。その一方で高橋さんは「描きたいことだけにとらわれ、メッセージ性がなかった」と反省点も口にする。「絵本は子どものためのもの。読んで何か感じるものがあるような作品が作れれば」と今後を見据えた。
原画展、11日まで
受賞作品は最優秀賞から順次展示が行われており、高橋さんの作品は、ともに優秀賞を受賞した都井佳彦さんとの2人展で開催。今回の絵本の原画のほか、それぞれのオリジナル作品数点が展示されている。高橋さんは「いろんな人に見てほしい」と話している。会場は同ギャラリー(南青山5の10の1二葉ビルB1/【電話】03・3409・8268)で午前11時から午後7時(土曜日は5時)まで。入場無料。
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