介護の仕事の魅力を伝えるため、現場のエピソードを神奈川県が表彰する「かながわ感動介護大賞」。移動介護に同行し、そこで見た介護者の姿をまとめた藤が丘在住の山口舜介(しゅんすけ)君(16)=桐蔭学園高2年=の作文「笑顔の中にあるもの」が先月、優秀賞に選ばれた。
この取り組みは、高齢化が進む中で人材確保が厳しいと言われる介護現場のイメージを向上させようと、11月11日の「介護の日」にあわせて毎年行われている。4回目の今回は、29作品の応募があり、最優秀賞1作品と優秀賞5作品が選ばれた。優秀賞の山口君と、エピソードに登場した(有)ダーム(本社・藤が丘/棚井宴子(うたげ)代表)の後藤和彦さん(36)、高見和則さん(47)は表彰を受けた。
きっかけは虐待事件
山口君が応募したきっかけは、「介護施設の職員が利用者に対し暴行、虐待を行った」というニュースをテレビで見たこと。長年、祖父の介護を間近で見てきた経験から「介護という職務をしっかりと全うしている人もいるはず」と、親戚が運営する同社に見学を申し込んだ。
同行したのは、脳性まひにより言葉が話せず、車いすを使用している柳澤圭佑さん(27)の移動介護。後藤さんと高見さんと共に、駅までの買い物を手伝った。そこでの柳澤さんの笑顔と、介護をした2人の「自分にとっての1時間が柳澤さんにとってのそれ以上だったら嬉しい」という言葉をエピソードとして紹介。「介護職の思いをくみ、その必要性が伝えられた」と評価された。
約8年前から同社の訪問介護を利用し続けているという柳澤さん。母親の幸子さんは「いつも外出の時間を楽しみにしている。帰ってきたときの本人の充実した顔を見ると、恵まれていると感じる」と話す。棚井代表は「介護はこれからも必要不可欠なもの。若い人が興味を持ってくれたことが重要」と笑顔をみせた。山口さんは、介護の現場などを見てきた経験を踏まえ「将来は再生医療の研究者になりたい」と話している。
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