横浜市が昨年1月から実施している崖地現地調査。先の12月議会で補正予算を組むなど調査の加速に力を入れる一方で、民有地内の立ち入り拒否や、土地所有者不在のため中止となったケースが昨年10月末までの10カ月間で100件に上ることがわかった。
市は、2014年10月に発生した台風18号の大雨によるがけ崩れ被害などを受け、市内2431の土砂災害警戒区域内に存在する約9800カ所のがけ地の現地調査を現在も行っている。民間業者に委託し、崖地の正確な高さや傾斜角、湧水の有無など約20項目をチェックし現状を把握。危険が見つかれば土地所有者に対策を促すなどしている。
調査は年間3千カ所をめどに行い、2017年までには完了する計画。さらに調査を加速させるため、先の12月議会で3100万円の補正予算を上程したばかりだ。
全体の3・5%
市が早急な調査体制を整える一方で、やむをえず調査が中止となる状況が露呈してきた。市によると昨年1月から10月末までに実施された2850件の調査のうち、中止となったのは3・5%にあたる100件。敷地内への立ち入り拒否や、土地所有者不在のため調査が行えないといったケースが目立つ。
市では調査の対象区域にはあらかじめ回覧で知らせ、土地所有者が不在の場合は、日を改め再度訪問するなどしているが、2〜3回程度訪問しても所有者と会えない場合はやむをえず調査を中止しているという。
避難勧告にも影響
今回の調査は法律に基づき指定されている土砂災害警戒区域内にある崖地の状態を市が独自に把握し、避難勧告対象区域の選定の材料にする意味合いも持つ。市建築局建築防災課では「調査に強制力はないが、避難勧告の優先順位などを決める材料にもなる大切な調査。土地所有者にはぜひ協力してほしい」としている。調査中止が生じている現状を受け、担当課では不在者宅を別途訪問して調査への協力を訴えているほか、ポスティングなどを行い個別に対応するなど対策を講じ始めた。
青葉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>