地元の文化財などを保管、展示している田奈小学校郷土資料室と、さつきが丘小学校どきどきルーム(郷土資料室)で9月4日、リニューアルオープンセレモニーが行われた。リニューアルは田奈駅の「東急多摩田園都市まちづくり館」が昨年閉館したことに伴い、そこに展示・保管されていた郷土資料や農具、民具などの移設を受けて実施されたもの。各校に連絡をしてから訪問すれば、一般の人でも見学できる。
リニューアルを手掛けた横浜市歴史博物館によると、今回移設したのはまちづくり館に保管されていた文化財。これらの多くは、もともと田奈小に保管されていたもの。約40年前に、近隣住民から食器などの民具や、脱穀機、うすなどの農機具に加え、文献資料などの文化財を200点弱寄贈してもらい、郷土資料室を整備した。1994年にまちづくり館ができた際に、それらを移設したという。以来、約20年間は郷土資料室を開設していなかったが、復活したことを受け同校は「児童が文化財を身近に感じてくれるのでは」と期待を寄せる。現在は、今回戻ってきた文化財などと併せて戦争にまつわる資料を整理中。10月以降に改めて一般公開し、地域住民にも足を運んでもらえるようにしていくとしている。
さつきが丘小周辺は、稲ヶ原遺跡と呼ばれる縄文時代などの集落跡が残る地域で、小学校建設に伴って発掘調査を行った際には縄文時代や弥生時代の土器や竪穴住居跡などの遺構が多数発見された。それらの文化財をどきどきルームに保管している。今回、どきどきルームには神鳥前川神社のジオラマと古民家の縁側などを再現した展示セットを移設。縄文土器など、以前から保管されていた文化財と併せて展示された。
リニューアルを行った同博物館の担当者は「子どもたちが身近に学べる博物館のような施設として利用してもらえれば」と話している。いずれも学校内施設のため、見学を希望する場合は各校に一報を。
自ら歴史を継承
さつきが丘小学校どきどきルームは、地域住民ら約20人が参加するボランティア団体「郷土史の会」(下山和正会長)が運営を担っている。地元の歴史を自分たちの手で継承していこうと、6年前に発足した。
同会では今回のリニューアルに合わせて、身近な歴史を知ってもらうきっかけにしようと地元の遺跡などを辿る小冊子「歴史探訪 しらとり台・さつきが丘方面散策」を500冊発行。どきどきルームや同博物館などに置かれているという。
今後は、同時リニューアルを行った田奈小をはじめとし、近隣の小学校に設置されている郷土資料室と連携を深めていきたい考え。「個々の資料室は小さくとも、それらをネットワークでつなげば博物館のようなもの」と下山会長は構想を語った。
青葉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>