道志村フォトコンテストの一般部門で大賞を受賞した 大塚 英夫さん つつじが丘在住
環境の「今」を切り取る
○…道志水源林100年の記念事業であるフォトコンテストで、124点の作品の中から頂点に立った。錦秋の道志村の渓谷を切り取った一枚には「命の水である清流が、永遠に続くように」との願いを込める。自身にとっては初の大賞受賞。「とても嬉しい。今後の励みになる」と、語る口調に喜びをにじませる。
○…自然豊かな栃木県宇都宮市で生まれ育つ。5人きょうだいの末っ子で、幼少期から物事を突きつめて考えるたちだった。「凝り性で何事も理論や裏づけがないと先に進めなかった。兄たちから『先生になるんじゃないか』なんて言われてね」。根っからの理系脳で、富士通に入社後はシステムエンジニアとして活躍。同社が環境保全活動に熱心だったことから興味を持ち、家庭でのエコに目を向けるように。週末はNPOで子どもたちに環境教育を行うなど二足のわらじを履いた。現在も省エネルギー普及指導員など8つの資格を生かし、ライフワークとして講演活動や指導を続ける。
○…青葉区に暮らし40年、開発が進む様を目の当たりにしてきた。「青葉台駅は舗装されていなくて草ぼうぼうでね。今より緑は豊かだった」。自然がどう変わろうとしているのか、その現状を残し、対策を皆で考えたい――。そんな思いで手に取ったのがカメラだ。趣味から本腰を入れ、2年前には仲間と「青葉フォト研究会」を立ち上げた。撮影で各地に赴く中で「環境フォト」としてさまざまな風景を収めてきた。「『これを撮りたい』という自分の思いにどう近づけるか、そこから構図が決まる」。「伝える」のではなく「伝わる」ように、が信条だ。
○…趣味が同じ愛妻は「私の門下生」とにっこり。京都や奈良、スイスにフランスなど2人でいく撮影旅行が楽しみだ。「女性の視点はやはり違う。まだライバルではないけど」とにやり。よきパートナー、と晴れやかに言い切る笑顔に、温かな家族の絆が見えた。
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