東日本大震災から3月で2年が経ち、緑区でも防災計画の見直しが進められる中、独自で災害時の対策に取組む自治会がある。十日市場町自治会(田中賢会長)では、米専用の冷蔵庫を購入し「地元産玄米」を19日から備蓄し始めた。区担当者が「区内で単位自治会による玄米の備蓄は聞かない」と話す珍しい取組みを取材した。
十日市場町自治会は、約2100世帯が属している。周辺は田んぼがあり、農業を営む世帯もある。今回の取組みは自治会が地元の農家から玄米を購入。420kg(7俵)で約5600人分のおにぎりに相当する。玄米の備蓄について田中会長は「玄米を備蓄することで質、味などが保たれる。被災時でも地元産の美味しいお米を自治会員の方々に食べてもらえる」としている。
玄米の備蓄を可能にしたのには、周辺の環境も影響している。発災時には、水や電気などのライフラインの停止が予想される。震災時でも、区内で多くの停電があり、自家発電を使用したという地区もあった。玄米は、精米するには、水や精米機が必要となるが、田中会長宅には飲料用の井戸があり、自治会員の中には昔農家だった世帯も多く、精米機を用意できる。「地域特性を活かせたからこそできた取組みでは」と田中会長は話す。
防災訓練で入れ替え
同自治会では、9月の防災訓練で備蓄している玄米を精米し、炊き出し訓練を行う予定だ。10月には、新米が出る時期となるため、「その年の玄米を備蓄し、一年に一度新しいものを保存する仕組みにしている」と田中会長は説明する。
「いざというときは、自分たちで行動することが求められる。取組みを通じて自治会員の方々に少しでも安心してもらえれば。また、他の自治会の方にも参考となればうれしい」と田中会長は話した。
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