市民活動支援センターで編み物を教える 清水 征三郎さん 霧が丘在住 67歳
難しいことをやさしく
○…市民活動支援センター「みどりーむ」で編み物講座を開く。生徒は子どもからシニア、障害者と幅広い。「誰にでも簡単にできる編み物を」が信条。難解な編み方をいかに「簡単にするか」に挑戦し、独自の編み方を考案。木の棒とプラスチックを組み合わせて作ったオリジナルの編み針「U字棒」は、片手が不自由でも楽しめるようにと試行錯誤を重ねた力作だ。「難しいことをやさしくすれば、編み物はとたんに皆のものになる。そういうことを考えるのが好き」
○…1945年、青森県で生まれる。戦争が終わると両親とともに東京へ。高校を卒業すると電気会社に就職。技術職として絶縁体の開発などに携わった。複雑な機械の根幹に係わる仕事で必要なことは、ものごとをいかにシンプルにとらえるか。現在の信条にもつながる真理がそこにあった。40歳を迎える頃、妻のすすめで編み物と出会う。基本的な編み方を覚えると、単純化された仕組みの中に面白さを見つけ、次々と独自の編み方を開発していった。「改良するのが好き。もっと良くするには、と常に考えている」
○…編み物の先生として地域を飛び回る傍らで、数年前から市民農園を借りての畑仕事に夢中だ。ここでもやはり考えてしまうのは「いかに良くするか」。限られた面積の中で、どれだけ多くの作物を効率よく育てられるか。今年は市民農園でも実現できる「長ネギ」の育て方を習得したのが大きな”収穫”だった。
○…子どもたちに編み物を教える楽しみは、何と言っても「面白いことに出会った時の笑顔」に出会えること。「子どもたちはえも言われぬ顔をするんだ。あの笑顔が見たくて、一生懸命新しい編み方を考案しているといってもいい」。3歳になる孫娘に編み物はまだ早いが、いつか一緒に楽しめたらと夢見ている。「難しいことをやさしく」―。その原動力は、子どもたちの笑顔にあった。
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