2月7日の「緑区スポーツ人の集い講演会」で講演を行う 土屋 恵三郎さん 青葉区在住 61歳
会話で子どもの育成図る
○…来月、桐蔭学園高等学校の硬式野球部監督時代に得た「子どもの育成論」をみどりアートパークで披露する。10回にわたり同校を甲子園へと導いた実績の背景にある失敗談も紹介するつもりだ。「どんなに華々しい実績も、日々の失敗の積み重ね。失敗のなかにこそ、皆さんに知ってもらいたい子育てのヒントがある」
○…昨年4月、障害のある子どもなどに学ぶ場を提供している星槎グループのスポーツ振興室長に就任。全国にある現場で子どもたちに向けた講演などを行っている。「今の子はTVゲームの影響のためか、苦難に直面するとリセットしてしまう傾向にある」。物事に負けても、悔しいと思い諦めないことが自分を成長させることを教えていきたいと考えている。子どもと接するうえで重視するのは会話。自ら声をかけ、子どもが笑顔になるまで話し続ける。「笑顔が増えれば自然と明るくなる。明るさがあれば社会に出てもたくましく生きていける」
○…桐蔭野球部監督時代の経験が「子どもの声を聴く」指導を始めたきっかけ。監督に就任して10年を超えた頃に突然、自宅前に当時の野球部員が集結し練習法の改善を求められた。「もっと自主性をもたせてほしい」との声だった。「目が本気だったのでその気持ちを尊重した」。練習メニューの一部を選手に考えさせ取り組ませると選手は目に見えて自主性をもつようになった。翌年、甲子園出場を決めてくれた。「子どもに教えられることばかりです」。優しい目で振り返る。
○…高校の寮で生活していた30年間から生活は一変した。1時間以上かけて通う新天地への通勤は新しいことに出会える期待から楽しい道のりになっている。今後は桐蔭時代を支えてくれた妻の加奈子さんに恩返ししていく番と決めている。「30年間、家の事を任せきりだったことに対する感謝の気持ちを表わしたい。今は妻との会話を一番大切にしている」
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