区内の福祉施設などで構成される「緑区社会福祉協議会 福祉施設等分科会」が行っている災害訓練が、高齢者施設と保育園など種別を超えた施設間の防災に関する情報共有につながっている。
災害時に回覧板で施設間の情報共有を図り、避難生活を円滑に進めるための訓練で、同会では災害時に協力し合う体制構築に役立っているとみている。
この訓練は災害時に回覧板で施設間の情報共有を図り、避難生活を円滑に進めることを目的に「緑区社会福祉協議会 福祉施設等分科会」が2013年度に始めた。
年2回のペースで実施していく予定で、26日から4回目の訓練が行われている。
回覧板は、災害発生時には施設の「困っていること」、「助けられること」を記入し回覧していくが、訓練では施設のスタッフ数や備蓄物、設備情報、緊急連絡先などの施設情報を記入し施設間で回していく。
訓練の回数を重ねるごとに、施設情報の共有が深まり、発電機がない小規模施設が回覧板で発電機のある施設を知り、発電機を借りるための準備を進めるなどの取り組みがみられている。
同会によると、これまでは同じ分科会に所属していても、高齢者施設と保育施設の間で情報を共有する機会が少ないなど、会のなかで緊急時に協力し合う体制が整っていなかったという。
同会を取りまとめる緑区社会福祉協議会の担当者は「過去3回の訓練後には『施設種別を超えた人のつながりができた』『施設内の防災に対する意識向上が見られるようになった』などの声が聞かれた。施設間の『顔の見える関係』が進んでいると思う」と話している。
この回覧板による情報伝達方法は、災害時でも確実に情報共有ができる手段として12年度に同会内で決定。緑区を4つのブロックに分けて、指定の回覧板を徒歩や自転車で回していく。震度5度以上の地震が発生した場合に運用し、有線や無線回線が使用できる場合は行わない。
また、各施設や周辺道路の安全が確認された上で運用を開始することなどが決まっている。
「現在、参加施設は約60施設。今後は区内全域の福祉施設で実施できるように会員外の施設にも声をかけていきたいと思う」と同会は話している。
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