「竹山連合自治会」(町田史郎会長)が、竹山団地内にある竹山池の再生に取り組んでいる。今月13日には水草を育てる人工浮島を設置した。池を自然豊かな散策地として整備することで人を呼び込み、街に活気を取り戻したいとしている。
竹山池は1970年、竹山団地設立に合わせてつくられた人工池。竹山団地中央商店会や竹山小学校などに囲まれた街の中心に位置し、90年代前半ぐらいまでは人々の憩いの場として親しまれていた。
しかし、特に管理が行われていなかったため、ペットとして飼われていた外来魚やミドリガメなどが目立つようになり、40年が経過した現在ではヘドロによる悪臭を訴える声も聞かれるようになった。町田会長は「90年代に入り、近隣に大型商業施設ができるようになってからは商店街の利用客も減り、ここに人が寄り付かなくなってしまった」と池の環境悪化とともに街の活気が失われていった当時を振り返る。
こうした状況を受け、竹山連合自治会は昨年、商店街の活性化や団地に若い世代を呼び込むための計画を緑区と検討。竹山池を整備し、散策スポットとしての価値を高めることで、同地区に再び活気を取り戻そうと話し合いを重ねてきた。現在、同連合自治会は市が市民と協働で緑化を進める「地域緑のまちづくり事業」のサポートを受けながら、池再生に取り組んでいる。昨年12月には市のアドバイザーのもと、池の再生を図る「竹山池活性化推進委員会」を立ち上げた。
3年計画で水質調査
同委員会は今月13日、池に浮島10基を設置した。今後継続して浮島を増設し、水を浄化する水草の苗を育てながら、3年がかりで水質の改善に挑む。水質は定期的に調査し、経過を観察するという。また、池の周囲の雑木林を整備し、プランターを置くなどして景観と生物多様性の再生に取り組む方針だ。外来生物対策としては、駆除するのではなく、生息場所を仕切るなどの方法がとれないか検討したいとしている。
人が集まる「池」に
同委員会は、池の再生を通じて、池に人が集まる仕組み作りを行っていきたいとしている。現在、池の周辺には人がとどまれる場所がないが、将来的にはエコ・トーンなどの水辺空間を設けることで、池の生物を観察する場所をつくる方針。また、子どもや大人を対象にしたワークショップを開き、池の生き物や環境について学ぶ機会を創出し、自然とのかかわりを皆が実感しながら池再生に取り組める環境を整える。
町田会長は「竹山池を緑区の名所のひとつにしたい。多くの人がここを訪れるようになってくれれば、街に活気が戻るはず。一生懸命取り組んでいきたい」と話している。
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