東本郷地区に属する日鋼自治会(前田一会長)が今夏の蚊対策として、ボウフラの発生源となる雨水マスに薬剤を投入する「ボウフラ撲滅作戦」に取り組んでいる。9月末頃まで実施することで大量発生を防ぎ、デング熱の流行などにも備えたいとしている。
「ここの地域はとにかく蚊が多いことで有名。玄関の開け閉めはもちろん、庭に出るのもはばかられるほどだった」と日鋼自治会の住民らは口々に話す。何年も前から蚊の大量発生が地域の「困りごと」として挙げられ、これまでにも対策として様々な試行錯誤が行われてきた。
同自治会の役員らが蚊の発生源のひとつとして着目したのが、雨水を集める雨水マス。雨水を一時的に貯める構造となっているため、梅雨時期などには蚊の幼虫であるボウフラが大量発生することがわかった。同自治会内には約400カ所の雨水マスが存在し、蚊の発生源となっていたという。
同自治会では、雨水マスに金網状の蓋を設置する案や、マス内に殺虫剤を散布する案などを検討したが、メンテナンスや雨水が流れ込む鶴見川への2次公害の観点から実施には至らなかった。そんな中、テレビの報道特集で横浜市泉区や兵庫県西宮市などで行われている「昆虫成長抑制剤」を使用した防除作戦を知ったという。
同自治会では検討を重ね、今年4月から同薬剤の投入を実施。9月までの6か月間、月に1回の薬剤投入を続ける「滅ボウフラ作戦」に取り組んでいる。
同自治会の中野喜久一副会長、事務局の鈴木陽さんによると3カ月が経過し、「昨年に比べ大幅に蚊が少なくなった」「庭に出ても犬の散歩をしていても蚊に刺されなくなった」などの声が聴かれるようになったという。
一方、雨水マスへの薬剤投入については、環境への影響にも十分な考慮が必要だという見方もある。横浜市環境創造局ではHP上などで「雨水マスから流れた排水は川や海に直接流れるので、殺虫剤などの散布は控えて欲しい」と慎重な姿勢を示している。
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