「物(靴)を売っているという感覚はあまりない。あくまで、頂くのは技術を売ったその対価。もっとも、お客さんにその感覚はないかもしれないけど」。(有)ロビンフット=長津田=の小黒健二さんは、穏やかな表情でそう語る。
小黒さんが「足と靴の相談室」である同店を開業したのは2000年の4月。以来15年にわたり「健康を基本とした靴」を作り続けている。「長津田は良い意味でプレッシャーを感じない街。昔ながらの味わいがある」と街への思いを語る。
もともとは大学を辞めて映画の専門学校(当時)に通ったほどの映画好き。「映画を見て淀川長治さんが解説してくれる授業もあった。すごいことだよね」と、懐かしそうに当時を振り返る。その後は、松竹の大船撮影所で音響として勤務していたこともあるという。
「靴」の世界に入ったのは1983年、履物問屋を営んでいた父と兄が青葉台で「ロビンフット靴店」を設立したのがきっかけ。しかし、金物屋や時計屋など町の物販店が徐々に姿を消していくのを目の当たりにし、「必要とされるのは健康」だと考えるようになった。その後、ドイツ整形靴技術を学び習得。「足の痛みを取るのも靴、痛くするのも靴だから」と軽やかな口調で語った。
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