東京工業大学すずかけ台キャンパスで学ぶ学生らが、高校生を対象に、バイオをテーマにした教材作りを競う「バイオコンテスト」を今年も企画している。創造性やものづくりの魅力を伝え、将来バイオの分野を志す”若い才能”を育てる取り組みだという。
教材作り競う
「高校生バイオコン」と銘打ち、近隣の高校生が小中学生向けの教材を開発するコンテストの企画が始まったのは今から8年前。「ものづくり教育」をテーマに、学生の創造性を育む目的で、学内で行っていた教材コンテストを高校生に向けて発信しようと、同大学院生命理工学部研究科副研究科長の太田啓之教授を中心としたグループが始めた。以来、学生サークル「BCS」のメンバーらが運営を担っている。
開始以来、回を重ねるごとに参加高校が増え、関東近隣の高校だけでなく、四国や新潟県など全国から出場を志願する高校も現れた。8回を数える今回も全国から7校11チームが参加を決めている。
参加するチームは主に高校の生物系サークルなどが中心だが、近年では物理系部活なども名を連ねる。参加者らは「花粉」や「昆虫」と言った小中学生の学習テーマを題材に、体感的に学べる教材を開発。コンテストでは、その完成度や創造性などについて審査員や来場者が得点を付ける。会場には近隣の小中学生や一般の来場者なども招き、実際に教材に触れる「教材お試しタイム」を設けるという。
大学生がアドバイス
運営に携わる学生らは、夏休みなどを利用し、参加チームのある高校に足を運んで、教材の構想段階からアドバイスを行う。学生のひとり、上岡未来さん(生命理工学部生命科学科2年)は「構想段階で様々な壁にぶちあたる高校生と向き合うたび、やりがいを感じる」と話す。
またサークルの代表でもある砂原和充さん(同学部生命工学科3年)は「高校生の発想は私たちにとっても大いに刺激になる。そんな視点があったのかといつも驚かされる」と話す。
理科離れに危機感
こうした取り組みの背景には小中高生の理科離れに派生する「バイオ離れ」を食い止めようという思いがある。太田教授によると、やはり若者の理科離れには皆が危機感を抱いており、「こうしたコンテストを通じ、自分の理解を更に深めることはもちろん、人に教える立場になって初めて気付く発見などに目を向けていただければ」と付け加える。
開催日は11月7日(午前9時45分開始)。会場は同キャンパス「すずかけホール3階(多目的ホール)」。入退場は自由(入場無料)。リーダーとしてこのコンテストの舵を取る山岡大貴さん(同学部生命工学科2年)は「バイオに興味のある小中学生の皆さんにぜひ足を運んで欲しい。高校生が頭を悩まし開発した教材に触れて」と話す。
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