民踊などを披露する伝統文化発表会を開催し今年で10年を迎える 服部 ひろ子さん 寺山町在住 80歳
舞台に立てば気持ちは20歳
○…日本民踊や新舞踊の教授として自宅で踊りを教える傍ら、行政などの後援で「伝統文化発表会」を開催してきた。日本人の心でもある伝統文化を次世代にも広めたいと、地元小学校を招き、お互いの発表を通じた交流を続けている。「子どもたちの踊りにはいつも刺激をもらうの。この子達の心に伝統文化が少しでも残ってくれればいいなと願いを込めて続けてきた」。80歳になった今も勢力的に活動を続ける。
○…福島県二本松市で生まれる。仲人に言われるがまま鎌倉の商家に嫁いだ。出産後、夫は独立。運転手から始め、やがて建築施工会社を設立。職人を何人も抱えるほど事業が拡大したこともあった。自身も内職や事務をはじめ、時には外回りの営業活動までして夫の仕事を支えた。「福島の女は我慢強いのよ。そして諦めない」。難病を患い、夫は昨年旅立った。12年に及ぶ介護生活は「いつも女中さんの精神で」。自分の踊りや地域との接点も忘れずにいたことが気持ちを前向きにしてくれたという。
○…踊りを始めたのは意外にも40歳を過ぎてから。自治会の婦人会長を任され、地域の盆踊りを手伝った時、踊れないのが恥ずかしいと教室の門を叩いたのがきっかけとなった。全国の民踊を訪ね歩くほど熱心に取り組み、教授の資格を取得。今では老人ホームの慰問や地域のまつり参加にひっぱりだこで、盆踊りシーズンはいつも大忙しだ。「何歳でも遅いってことはないみたい。打ち込む何かがあるっていう事に感謝」
○…若い頃身に付けた和裁の腕は今でも確か。衣装のほとんどを手作りし、舞台に華を添えている。「踊りも和裁も今ではボケ防止。皆さんにもぜひお勧めしたい。自分が作った衣装を着て舞台に立つともう気持ちは20歳に戻ったようなの」と朗らかな笑顔を見せる。好きな事も辛抱も、いつも全力で挑んできた。「前しか向けないの。後ろは振り返らない」
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