十日市場で学習障害のある子どもへの支援と啓発活動を進める 山内 信重さん 「神奈川LD協会」統括責任者 港南区在住
子どもの為の「縁」築く
○…「いじめを見て見ぬふりをする子どもの改善こそ、今の教育に必要」と熱く語る。十日市場で学習障害(LD)などに悩む子どもや保護者への相談支援、教育関係者の指導に10年以上取り組む。2月にはアメリカから専門家を招き、いじめに関するセミナーを行う予定だ。学習障害は日常生活に不自由はないが、読み書きなどが困難になる症状で、それに起因するいじめなどが問題視されているという。
○…会が発足したのは21年前。障害児への教育環境に疑問を持った保護者や支援者が、環境整備のために発足。自身は発足時参加していなかったが、13年前、海外の障害児問題改善のために勤めていたエジプトから帰国した際に協会メンバーと知り合い、「現場で直接子どもの悩みを聞きたい」という思いから代表職についた。そこで日本の教育の状況を目の当たりにし、「どうにかしなければと、がむしゃらにやってきたら13年経っていた」と語る。
○…障害に関心を持ったのは大学時代のサークル活動。「先輩に誘われてなんとなく入った」というボランティアサークルで、16歳の筋ジストロフィーにかかった青年と出会ったことが人生の指針を決めた。「なぜ同じように生まれて、年齢や背格好も近しいのに、自分と違いがあるのだろう」と思ったという。その青年は既に他界しているが、当時の気持ちを忘れず、子どもには悩みを分かち合い、内面を支える姿勢を貫いている。「当時の教え子が遊びに来て『この場所に救われた』と言われた時はとにかく嬉しかった」と振り返る。
○…2月のセミナーでは、いじめ問題に興味を持つ人同士が触れ合う機会となれば、と期待する。「僕もエジプトでたまたま知り合った人と志を共にして、今一緒に仕事している。そうした”縁”ができる場を設けたい」。大人が一体となって、子どもたちが楽しく成長する環境を作るために今後も邁進していく。
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