「本が泣いています」―。水濡れや落書きで貸出できなくなる破損本の被害が減らない。緑図書館では破損本の現状や修理ボランティアの活動を紹介する展示を開催し、マナー向上を訴えている。
約12万冊の図書を所蔵する緑図書館では、昨年度約8千冊の書籍を除籍(=登録抹消)。うち約6千冊が破損などの理由で貸出しに耐えられなくなった本だった(経年劣化を含む)。
減らない被害
破損本には雨水などに濡れた「水濡れ」や「落書き」「書き込み」、ペットの噛み跡による被害など様々なものがあり、図書館では可能な限り修理して再利用することにしているが、程度がひどいものは廃棄処分となる。こうした破損本は年間を通じ発生し、その数は減っていないのが現状だ。
特に梅雨シーズンは雨濡れ被害などが発生しやすく、一度濡れた本は「カビやしみ・しわが発生し、乾いても再利用が難しい」という。同図書館ではこの機会に被害の現状を知ってもらいたいと7月12日までの期間、破損本の現物など紹介する展示を企画した。
ボランティアが修理
被害の増加を受け、職員だけで取り組んでいた破損本の修理が追いつかなくなったことから、同図書館では2010年度から「ボランティアによる図書修理」の取り組みに着手。修理法などを習得する講座を開き、破損本の状態に合わせた手作業による修理の担い手を育成している。昨年度はボランティアが1年間で827冊の本を修理したという。
今回の展示ではこうしたボランティアによる活動も細かく写真で紹介。同図書館では「ボランティアの皆様の陰ながらの活動もこれを機にぜひ知っていただければ。誰もが気持ちよく利用できる図書館マナーの向上を広めていきたい」と話している。
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