横浜市消防局は増加する出動要請や現場への到着時間の短縮などを目的に、白山消防出張所に救急隊を配置する。隊は既に緑消防署に籍を置きながら活動を開始しているが、来年3月の本格的な活動開始に向け、現在、出張所のハード面の整備が進められている。
市内救急隊の現場までの到着時間は、平成27年の平均では「通報後約6・9分」を記録したが、白山地域への到着時間は長年その平均を下回っていた。また、緑消防署には毎日約30件の通報が寄せられているが、白山からの通報が特に多いという。これまで緑区には中山の緑救急隊(本署)、長津田救急隊、鴨居救急隊が整備されていたが、3隊ではこれらすべての通報に対処しきれず、青葉区や旭区、都筑区などの近隣区に応援を要請することもしばしばあったという。
今回の配置はこうした状況に対応するもの。緑救急隊担当者は「白山地域は近年になって宅地化が急激に進んだ地域。一方で、古い団地もあり、長年住んでいる高齢者も多い。こうしたことから通報が多くなっているのではないか」と推測している。
横浜市は、同様の問題が取り上げられている、仲町台(都筑区)と豊田(栄区)と合わせて3隊の増設を決定している。緑消防署担当者は「多くの病院が休診になる前の金曜日や週初めの月曜は特に通報が多い。こうした状況の改善がはかれれば」と話している。
稼働に向け整備進める
白山地区にはこれまでも「白山消防出張所」が整備されていたが、救急隊を運用するための「消毒室」や「救急車両設置用のガレージ」などはなかった。そのため、現在白山消防出張所ではこれらの設置を進めているほか、救急車両のガレージを設置するために既存の排除工作車両庫の改築などを進めている。工事期間中、救急隊は緑消防署に在籍し、来年4月の運用開始までは同署から近隣の現場へ出動していく。緑救急隊の高部勝一隊長は「早く着くことで少しでも救命率をあげたい」と語った。
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