緑区版 掲載号:2017年11月2日号
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横浜市いじめ防止で新方針「受けた側に立脚」明確化

教育

 横浜市は先月、「横浜市いじめ防止基本方針」を改定した。東京電力福島第1原発事故で横浜市に自主避難した男子生徒へのいじめ問題を受け、いじめの定義に「受けた側に立った判断」を明示。学校や市教育委員会の具体的な対応策を明文化した。

 昨年明らかになった、自主避難生徒へのいじめ問題では、市教委や学校が適切な対応を取らず、重大事態との認識に立った調査開始が1年7カ月後となり基本方針が機能しなかった。

 今回の改定は、再発防止検討委員会の報告書、国の基本方針の改定、市民意見募集を踏まえ行われた。市教委は、自主避難生徒への対応が遅れた要因に「被害者心情に充分に配慮できず、いじめに気づけなかった」との反省から、いじめの定義に「受けた児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と追加。「金品をたかられた」などの事例も盛り込み、いじめを広く捉え、判断を表面的、形式的にせず「受けた子どもの立場に立つことが必要」と明確にした。

専門家を積極活用

 改定方針では学校、市教委が実施する施策を具体化した。学校の対応策では、各学校に「いじめ防止対策委員会」を常設。月1回の開催を義務付け組織的に情報共有し児童生徒の変化に気づける体制を構築する。

 一方、市教委の対応策として、専門家の積極的な活用を掲げた。いじめの背景には家庭環境などの福祉的な要因が絡んでいるケースもあり、スクールソーシャルワーカーなどの意見も取り入れ連携を強化させる。区役所や「学校生活あんしんダイヤル」などの学校外の相談窓口も周知する。

 これまで学校の対応が主だったことを受け、重大ないじめが疑われる場合は、緊急対応チームを配置。早期に職員を学校に派遣し、学校だけでは解決が困難な事案には、弁護士のアドバイスが受けられる体制を整え、教育委員会事務局全体で対応するとした。

 また、自主避難生徒のいじめ問題では調査開始が遅れたことから「重大事態」が疑われた段階でその判断を組織的に行うこととした。

 岡田優子教育長は「教育委員会事務局、学校現場でしっかりと共有し、一丸となっていじめ防止に取り組む」とコメントした。市内のある校長は「日頃から教職員間でコミュニケーションを取り、報告しやすい環境をつくることが大切。学校全体で児童生徒の変化に気づく体制を構築する必要がある」と話した。

 今後は、市の方針に合わせて各学校の基本方針も今年度中に改定される。

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