最新号:2012年2月 9日号
2010年6月24日号
○…絶滅の危機にさらされている希少動物の繁殖や研究を目的に11年前に設立。「国内でここまで専門的な施設は珍しい」と口にするように、日本初のセンターだ。動物にストレスを与えないよう普段は非公開。「野生動物は減ってきているので、海外から連れてくるのは困難。限られた数でしか研究はできない」。インドネシアの野鳥「カンムリシロムク」は、約20年前は10羽に満たなかったが、7年間で100羽を現地へ帰すまでになった。
○…山梨県出身。幼いころからよく遊びに行っていた動物園で働くのが夢だった。思いは変わることなく、獣医を志すため県内の大学へ。卒業後は茨城県の動物病院に就職。「一時は夢を諦めかけた」。しかし4年後、念願叶い金沢動物園で獣医として働けることに。「すごく嬉しかった」。その後、野毛山動物園を経て2年前、センターの所長に就任した。好きな動物はキリンやゾウ。「子どもみたいだけど」と笑う。「よく考えたら不思議な姿。そんなところに興味が沸いて」。素朴な疑問が仕事への情熱につながる。
○…「野生動物はまだまだ分からないことだらけ。学校の知識だけでは足りないこともある」。検査の数字も「確かなものか」と試行錯誤を繰り返す。「本来は技術不要なことが望ましいけれど、そうはならないのが現実。技術を確立したい」。さまざまな原因で減少している野生動物。「理想は共存。人間も動物の命に支えられていることを忘れてはいけない」。11年目を迎えたセンターは転換期だ。「今は非公開だけど、もっと開くことで動物たちの情報を発信していきたい」。まずは若い世代から野生動物の存在を知ってもらうことが、保護の原点につながると話す。
○…休日は大学講師の顔も。「休みがなくて家族に怒られちゃって」と苦笑い。4歳と2歳の娘も動物園が好きだという。「要望に応じて行く場所を変えています」と嬉しそうに微笑んだ。