被災地児童撮影 日常の心の内面 映す 新横浜で写真展
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県女川(おながわ)町の子どもたちが、震災後の日常を撮影した写真展が4月14日(土)・15日(日)、新横浜プリンスホテルで開かれる。企画した被災地支援にあたるボランティア団体「手をつなごう・かながわの会」は「震災を風化させないために、横浜・港北区民に子どもたちの写真を通じて、現地を身近に感じてもらいたい」と話している。
同展開催のきっかけは、「手をつなごう・かながわの会」の発起人で市内在住のプロカメラマン・文月(ふづき)涼(44歳)さんの思い。「メディアの写真よりも、現地の方、特に子どもたちが撮る”日常”の方が、装飾がなく訴求力がある」と考えたからだ。そこで、元々親交のあった、女川町に住む須田善明さん(現女川町長)を通して、昨年、町の子どもたちに80台のデジタルカメラを贈り、撮影を依頼した。
「壊れた学校内の写真や、瓦礫を片付けている姿など、数千枚を送ってもらいました。子どもたちが撮りたいものだけを送ってもらったので、邪念がなく、ストレートに気持ちが伝わってきました」と文月さん。女川町で満面の笑顔で迎えてくれた子どもが撮った、床に落ち割れた賞状が入った額の写真は「ギャップに驚きました。心の内面が見えたようでした」と振り返る。
写真を送った子どもたちが多く通う女川第四小学校の三品隆校長は「写真は一点一点に、子どもたちの様々な思いが表現されています。海の写真もあった。そこに憎しみは感じられませんでした」と話している。
同展では、児童を中心に、その保護者、教師らが撮影した写真45点程度を展示する予定。「被災者の心をじかに感じてもらいたい」との思いから、展示品には題名・説明書きがないものが並ぶ。
また、両日は500円以上の寄付で、展覧会の作品をまとめた写真集が贈られる。集まった寄付金は被災地へ届けられる。各日午前10時から午後6時まで。入場無料。
問合せは「手をつなごう・かながわの会」【電話】050・5532・3165。
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