大綱小5・6年生 通学路の地下道に絵 落書き対策で壁面に
横浜市立大綱小学校(前田隆校長)の5・6年生が描いた絵が、東横線大倉山駅近くにある同線ガード下「大倉山地下道」の壁面に先ごろ、設置された。通学路である地下道に落書きが多くされていたことを受け、行われた。「自分たちの住むまちを大切にしたい」という児童の思いが形になったものだ。
絵のサイズは、高さ120cm×幅150cm。大倉山地下道(大倉山1丁目18)の両壁面に片側5点ずつ、計10点設置されている。デザインは「大倉山」に因んでおり、梅林や記念館、駅前商店街などが色彩豊かに描かれている。
区が実現に協力
始まりは1年前。前田校長が同校着任時に通学路を巡回する中で、トンネルの落書きに目を止めた。「ここに子どもたちの絵を飾れば、教育的に良い効果が得られる」と考えたという。5・6年生を担当する教員に持ちかけたところ、「ふるさと港北小中学生会議」(注)に例年、児童の作文を送っていることから、これの活用提案が出た。児童に「大倉山の課題」をテーマに書かせると、トンネルの落書きに関する作文が寄せられ、この5年生が会議の場で発表した。区側もこれを評価し、実現させるためトンネルの所有者である東京急行電鉄(株)に協力を要請。了解を得ることができた。
「将来大きな意味を持つ」
イラスト内容は児童に「大倉山の自慢なところ」をテーマにアンケートを実施。1クラス2枚を担当し、主に総合の時間を使って完成させていった。当初はトンネルの壁面に直接描く案もあったが、屋外は天候に左右される上、中が狭く車も通り危険を伴うなどの判断から、校内での作業に。
前田校長は「子どもたちが自主的に取組んでくれた。小学生の段階でまちづくりに直接かかわったことは将来、大きな意味を持つのではないか。加えて港北区役所の多大な協力には本当に感謝しています」と感慨深げ。
6年生の1人は「空白部分を残さず、絵の具を丁寧に塗ることは難しかった。まもなく卒業しますが、大人になっても自分たちの絵が残るのは誇らしい。この作業ができて良かったです」と笑顔だった。
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