〈連載〉さすらいヨコハマ【3】 フェンスの中のアメリカ 大衆文化評論家 指田 文夫
1982年3月31日、本牧住宅地区で返還式が行われた。あいさつ、文書調印が終わり、星条旗が降り、日の丸がへんぽんと翻るはずだったが、旗はロープに絡まり、ズルズルと上がった。式は完璧ではなかったが、再開発は順調に進み、米軍住宅の痕跡は、本牧荒井のセントラル・ヒーティング施設跡の煙突だけ。
この『フェンスの中のアメリカ』はフェンスの向こうのアメリカの姿を収録した貴重な本である。
1982年春、タウン誌『はまっ子』の編集長・渡邉光次は、住民から膨大な写真を入手する。写っていたのは、米国の、今私たちが享受している豊かな消費生活だった。ここから二つのことがわかる。一つは1940年代に米国の経済社会が確立されていたこと、さらには戦地でも本国と同じ日常生活とビジネス・スタイルで戦闘する米の戦争観である。それは乏しい軍備を人力で補い、異常な精神力で戦う日本との違いである。また、マーク・ハミルも在学していたというヨコハマ・ハイ・スクール「YO(ヨー)・HI(ハイ)」では、週末にクラブでダンス・パーティーが行われていた。その出場バンドが、日本のG・Sのメンバーになった経緯は、最初の記述である。
(文中敬称略)
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