新吉田町にある(公財)日本盲導犬協会が運営する「盲導犬訓練士学校」(神奈川訓練センター)が一時休校することになった。これまで盲導犬育成に関わる50人以上の人材を輩出してきたが、盲導犬供給頭数と訓練士数のバランスをとるための措置だ。
盲導犬訓練士育成団体は国内に11ある。国内最大級で4つの訓練センターを運営している同協会によると、全国の2013年度の盲導犬実働頭数は約1000頭になる。視覚障害者は30万人以上で、同協会らが実施した推計調査(11年)によると、盲導犬を必用としている人は約3000人という結果がでている。
繁殖技術向上が鍵
盲導犬希望者3000人に対して、年間供給頭数は約150頭に留まっており、急激な盲導犬の増加は難しいという。半年から1年の訓練を受けた訓練犬は、温厚で人との作業をストレスに感じずに楽しめるかや、健康面の試験があるために、訓練犬の3割ほどしか盲導犬にはなれないという狭き門がその理由。一方、訓練士は足りている現状がある。今回の休校は、年間の盲導犬供給頭数と訓練士のバランスをとる必要があると同協会が総合的に判断したことによる。今後、更なる候補犬の繁殖技術向上、施設の充実などを目指していく方針だ。
同協会は「訓練士育成については盲導犬の数とのバランスを見ながら慎重に検討していく。再開校の時期は未定」とコメントした。
訓練士50人が卒業
同校は、計3年(基礎科2年、専修科1年)のカリキュラムを実施する全国で初となる学校方式の訓練センターとして04年に開校。11年間の運営で今回の卒業生5人を含む50人以上を盲導犬育成人材として輩出してきた。協会の収入源は9割以上が善意の寄付金。訓練生の授業料は協会側が育成費として負担している。14日に行われた式当日卒業生は、ハーネス(胴輪)を着けた訓練犬と一緒に入場。小田和正校長から卒業証書を受け取った。卒業生の中村春菜さんらは「支えていただいた皆さんに感謝をし、期待に応えられるようになりたい」とあいさつした。
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