記録的な猛暑が続くなか、横浜市を含む九都県市で公共施設などの涼しい場所で日中を過ごし、節電や熱中症対策につなげる「クールシェア」が7月から始まっている。港北区でも市の呼びかけに応じ、地区センターやケアプラザ、デパート、銭湯などが参加し、暑さを凌ぐ取組がされている。
クールシェアとは東日本大震災後の電力不足への取り組みとして2011年より始まった考え方。夏の日中で家庭の消費電力の過半数を占めるエアコンを、一人一台使用するのではなく、みんなでシェアできる涼しい場所を設置し、節電につなげようと環境省が12年から進めている。今年は横浜市を含む九都県市(東京都、埼玉、千葉、神奈川各県、川崎、千葉、さいたま、相模原各市)が新たに参加し、推進活動を行っている。港北区でも6カ所の地区センターや9カ所のケアプラザ、コミュニティハウス、図書館のほか、デパートや銭湯などが名を連ねる。
クールシェアのスポットの1つである菊名地区センター(村田成久館長)では、夏休みということもあり、連日親子連れや学生、高齢者など多くの人が集まっているが、周知はまだされていないようだ。
大学の受験勉強をしていた兵頭功さんは「ここがクールシェアスポットとは知らなかったが、友達と一緒に勉強できる場を探してきた。涼しくて家より集中できる」と話していた。
菊名地区センターなど区内9施設を管理する(一財)こうほく区民施設協会は「このような取組を広く知ってもらい、地域住民の交流の場になれば嬉しい。お出かけ中などでも気軽に立ち寄ってもらい、熱中症の予防にもなれば」としている。
クールシェアスポットはウェブサイト(【URL】http://funtoshare.env.go.jp/coolbiz/coolshare.html)でも検索できる。取り組みは9月30日まで行っている。
搬送者急増
7月の中旬から8月上中旬まで、環境省が熱中症になる危険性が非常に高いとする気温が31度以上に達する日が港北区でも続いていた。
区内では、5月1日から8月6日までに64人(昨年比19人増)が熱中症で搬送された。このうち、屋外が49人、室内が15人となっている。屋外では、散歩中、畑仕事や部活中など、活発に動く中での事例が多い。一方で室内では過半数が高齢者となっており、「蒸し暑い室内に一人でいて、歩行困難になった」などのほかにも、横になっているだけでも症状を訴えるケースが報告されている。
港北消防署は「室内でお年寄りは特に暑さを感じにくく、気が付かないうちに熱中症になることが多い。節電も大切だが、適切な冷房の使用とこまめな水分補給で熱中症を防いでほしい」と呼びかけている。
港北区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|