県政報告145 エネルギー問題 考えよう 県議会議員民主党・かながわクラブ はかりや珠江
箱根町大涌谷の警戒警報が半年ぶりに解除されました。大涌谷周辺の立ち入り規制は継続しているものの、紅葉のシーズンに観光客が戻り、箱根町や宿泊・観光関係の施設では、ほっと胸をなでおろしていることでしょう。県も引き続き、箱根町を応援していきます。
口永良部島の噴火や鬼怒川の氾濫など、今年も多くの自然災害に見舞われました。その都度思い起こされるのが、東日本大震災の津波や原発事故です。原発の安全性が大きく揺らぎ、エネルギー政策の見直しが求められています。
今回は再生可能エネルギーについて取り上げます。
*スマートエネルギー計画
黒岩知事は、安全・安心なエネルギーを将来も安定して確保するための方策として、かながわスマートエネルギー構想を策定。この構想は【1】原子力に過度に依存しない【2】環境に配慮する【3】地産地消を推進する-という3つの原則と「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」の3つの取組みを柱にしています。県では25年度に「再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」を制定。知事が掲げた構想を着実に進めていく、県のエネルギー政策の土台です。さらに26年4月には、条例で定められた基本計画として「スマートエネルギー計画」ができました。この計画では数値目標が示され、平成42年(2030年)までに県内の年間消費電力量を平成22年(2010年)比で15%削減、年間消費電力量のうち分散型電源の割合45%をめざす-という高い目標が掲げられました。「絵に描いた餅」にならないように、計画の進行管理をしっかりと行う必要があります。
*各地に新電力会社
こうした中、各県で特色あるエネルギー政策が展開されています。
山形県では東日本大震災で全県が停電、県民生活や産業活動に大きな影響が出ました。そこで平成28年の電力小売りの全面自由化を念頭に、県や県内企業が出資して「(株)やまがた新電力」を設立。県内の再生エネルギー業者等を後押しして電力を自前で調達しようと取組んでいます。
会津でも、一昨年「エネルギー革命による地域の自立」を基本理念に「会津電力(株)」が地元有志や市民ファンドにより設立され、再エネの普及と、地域分散型のエネルギーの創造を掲げて事業をスタート。
安全・安心なエネルギーを自分たちの地域で作り、地域で使う「エネルギーの地産地消」に向けた動きが
広がっています。
*温泉熱・木質バイオマス
宮城県大崎市では、東北大学を中心に「温泉エネルギー活用プロジェクト」を展開。その一つ「バイナリー発電」は、資源の枯渇もなく、温泉熱が低く小規模な施設でも発電できる点で、電気自動車の充電や温室など、地域に根ざしたエネルギー供給ができ、実用化が期待されています。
山形県の木質バイオマス発電施設では、山に放置されてきた未利用材や、ダムの流木・剪定枝等の水分の多いものもガス化して発電。間伐材の活用で山の荒廃を防ぐ手立てにもなり、林業活性化にもプラスになっています。
*神奈川らしくスマートに
再生可能エネルギーは、未来のために不可欠なもの。他県の取組みも参考にしながら、よりよい方策を提案したいと思います。
スイッチ一つで電気が供給される便利なくらし。でも時折、災害時を意識してエネルギーの問題に目を向けなければと思います。身の回りの小さな省エネも大切ですね。
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